東方見雲録

東方見雲録

2025.03.23
XML
カテゴリ: スクラップ
2003.03.23の日記   こちら

関連サイト:葉は、萼片や花弁、雄蘂のような花器官に変形した こちら
細かいことですが、進化の歴史上、シダの類が葉というものを進化させたのと、種子植物が葉というものを進化させたのとは、独立なようです。
ですから、シダの葉が直接に花器官になったとは考えない方が、良いでしょう。
 さて胞子を作る植物が、花をつけるようになったことで起きた大きな変化は、いくつかあります。シダの段階では、胞子(これは花粉や卵に相当しますね)は単細胞のため、寿命が短く、すぐに湿ったところに着地して発芽する必要があります。そうして、地面に着地した後は、自活を迫られ、自力で前葉体に育ち、そこで改めて卵と精子とを作るわけです。
 一方、花をつける植物では、シダの胞子に相当する花粉は、やはり単細胞のようなものですが、地面ではなく、雌蘂の先の湿ったところ(柱頭)に着地すればよいことになります。その後、花粉管は雌蘂の中に潜り込み、寄生状態に入ります。雌蘂という器官ができたことにより、花粉は、親植物によって養われるようになったわけです。卵の方も、胚嚢という形で、親植物の雌蘂の屋に養われるようになりました。動物で言うところの体外受精から、体内受精へ、しかも胎生へ、という進化です。これは裸子植物でも被子植物でも同じです。虫媒花でも風媒花でも同じです。これが、花の進化の大きなポイントですね。ただ、ここで大事な柱頭という構造は、葉の一部とは言い難いので、この時点では、葉が変形した部分の重要性はあまり大きくありません。
 しかしこの次の段階、 被子植物の段階で、胚珠を、葉の変形した部分・心皮が包むようになると、これまた大きな進歩といえます。これによって、胚珠が熟すまでの間、外界から保護されたり、あるいは種子散布のための動物の誘因に関わる果肉が生じるようになりました。葉が果たした最も大きな貢献は、この点にある といえましょう。
 ご指摘にあったような、花弁による昆虫や鳥の誘因という進化は、それに比べると限定的な要因です。これはご指摘通り、虫媒花などに限られた効果ですからね。実際、今でもヤナギの類やセンリョウなど、種子植物でありながら花弁を持たない花もたくさんあります。ただ、地球上で最も種数の多い動物は昆虫ですから、それに合わせて植物も花を昆虫仕様にしたものが繁栄したのも事実です。「花」という器官を持つ植物達が生き残ってきた意味は、以上のように、何段階かの利点の積み重ねにあると考えればいいでしょう。


こちら





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2025.03.23 00:00:24コメント(0) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: