モダン・ムーブメントの歴史的・文化的重要性を認識して、その成果を記録するとともに、残っている建物や環境の保存と活用を訴える国際学術組織にドコモモ(DOCOMOMO: Documentation and Conservation of buildings,sites and neighbourhoods of the Modern Movement、モダン・ムーブメントにかかわる建物と環境形成の記録調査および保存のための国際組織)がある。日本にも支部があり、ドコモモ・ジャパン(DOCOMOMO Japan)という。1999年に「日本の近代建築20選」を、2003年にはそれに80件を加えた「日本におけるモダン・ムーブメントの建築」を選定し、以降も日本のモダン・ムーブメント建築の再評価や記録、保存活動を行い、優れたモダン・ムーブメント建築の選定をしている。 ・・・・ 戦後日本の生活風景を作り、ともに歩んできた時間を語るもの、それがモダン・ムーブメントの建物だと言える。例えば戦後日本の各地に建設された団地は、大量かつ安定した住まいを供給する点で、モダン・ムーブメントの重要なトピックである集合住宅と関わる。橋や高速道路そしてサービスエリアや料金所といった交通インフラの建設は、日本国内の農山村・漁村の風景を一変させた。住宅だけに絞ってみても、エアコンが設置され、配電設備が整い、リビングダイニングキッチンという間取りが採用されることで、人々の住まいや生活は向上した。よりよい社会・文化・環境を提供しようとしたモダン・ムーブメントの建物がもたらすものは、それが当たり前になると、その大切さに気づきにくい。豊かさとともに失ったものがあるとか、何もないけどあの頃は良かった、という話をしたいのではない。それが失われていくことは、戦後日本が歩んできた道を振り返ることができなくなる、ということなのだ。 引用サイト: こちら