東方見雲録

東方見雲録

2025.08.19
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カテゴリ: 文化


© ダイヤモンド・オンライン
東京裁判とは、戦後まもない1946年5月からおよそ2年半にわたり、戦時中の政治家や軍人など日本を戦争に導いた指導者たちを戦勝国の法律家たちが裁き、東条英機元首相をはじめ、被告25人(判決時)の全員が有罪、そのうち7人が死刑になったという歴史的な国際裁判のことだ。

 現在は、市ヶ谷で防衛省の敷地となっている場所に臨時の裁判所が作られた。連合国の11の国から一人ずつ11人の判事がやってきて、帝国ホテルに宿泊して裁判所に通い、喧々諤々の議論を戦わせて判決に至ったその内幕を描いている。私はチーフ・プロデューサーとしてこの番組の企画、制作、脚本を担った。

 日本だけが悪かったのか?という歴史認識、天皇は裁かなくてよいのか?植民地主義は是か非か?現地の残虐行為の責任を指導者たちに問えるのか?など、私が脚本を通じて提示した裁判の論点は多岐に渡る。

 東京裁判を見つめることがそのまま「あの戦争」の主要な論点をカバーすることになる、と言えるほどだ。だからこそこの時期にぜひ見てほしいのだが、複層的なテーマ群の中でも、私たちが今まさに直面している最も大切なものがある。

 それは、戦争という行為そのものが果たして違法なのか、すなわち「人は戦争を裁けるのか」という問題だ。それこそが東京での11人の判事たちが2年半を通して格闘した根源的な問いだった。

 判事の中でも、インド代表のパル判事の名前は聞いたことがある、という人は多いだろう。判事たちの中の多数派が書いた裁判の公式判決に反対を貫き通し、なんと「被告全員が無罪」という少数意見書を公表した判事だ。

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 東京裁判の最大の「売り」である、「平和に対する罪」は戦争が終わった後に導入されたもので、不完全なパリ不戦条約を無理やり根拠にした事後法であり、第二次大戦での指導者の行為に適用することはできない。従ってその罪に問われている東条英機以下日本の指導者たちは全員無罪だ、と主張したのだ。

 パル判事のこの意見は、空前絶後のこの一大国際戦争裁判の根底を否定する究極のちゃぶ台返しと言えるもので、11人の判事団を大混乱に陥れ、以後、判事たちは互いに激論、説得、恫喝、疎外、圧力、理解、別れ、妥協、反発などを繰り返す2年半の間に、ありとあらゆる「あの戦争」をめぐる問題点が洗い出され、議論が重ねられていった……。
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 ICC条約の締約国は現在、日本を含めて125カ国であり、国連加盟国の193カ国と比べれば少ない。つまり、まだまだ全世界的な組織にはなっていないということである。

 何より決定的なのは、国際情勢を語るうえで絶対にはずすことができない大国であり安保理常任理事国でもある米・ロ・中、さらにはインドといった地域の大国も参加していないことだ。

 その存在地がオランダであることに象徴されるように、ICCが信奉する「国際法」が西欧偏重の考え方であり、これまでの歴史で植民地主義を行ってきた彼らの傲慢さが今でも残っているのではないか?本当に国際的な価値観を体現するというのならば、アジアやアフリカで育ってきた、犯罪者への断罪を求めるだけではない和解のプロセスや文化的背景も大切にしているのか?といった疑問もある。

 これらは、東京裁判でインド出身のパル判事が、欧米中心の多数派に反旗を翻したときから繋がっており、今も未解決の問題なのだ。

 そして何より、戦争を起こした指導者を裁けるのか、つまり「人は戦争を裁けるのか」という命題は80年近くの時を経た今も解決されていない。

引用サイト: こちら





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Last updated  2025.08.19 08:00:06
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