東方見雲録

東方見雲録

2025.11.24
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カテゴリ: デジタル



かつて米国で「サブプライム・ローン(低所得者向けの住宅ローン)」による住宅バブルの崩壊を予想し、それに対する空売りで巨額の利益を上げたことで有名になった(映画化もされた)投資家のマイケル・バリー(Micael Burry)氏が先頃、自らのXで最近のAIブームのバブル化やそれへの空売りを暗示するような発言をしたことも、市場関係者の危機感を煽っているようだ。
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両者に共通するのは、2000年代の住宅ブーム(バブル)も現在のAIブームも共に巨額の借金(debt)によって膨張してきたということだ。

特に最近のAIブームでは、その引き金となったChatGPTに代表される生成AI(チャットボット)の開発・運用に大量のGPU(AI半導体)やそれらを収納する巨大データセンターが必要とされ、その調達・建設コストなどがとてつもない金額に膨らんだ。

その象徴が今年1月、ホワイトハウスでトランプ大統領と共に発表された(OpenAI、ソフトバンク、オラクルらによる)スターゲイト計画だ。この計画では全米各地に巨大データセンターを建設するなど、AIインフラの整備に最大5000億ドル(75兆円以上)の資金が投じられると発表された。

またグーグルやアマゾン、メタ、マイクロソフトなどビッグテック4社も今年通年で約4000億ドル(60兆円以上)を投じてデータセンターなどのAIインフラを整備し、来年はさらに投資金額が膨らむ見通しだ。

米マッキンゼーによれば、今のペースでいけば、2030年までにこれらAIインフラの整備に総額7兆ドル(1000兆円以上)もの資金が必要となってくるという。

問題はそれら巨額資金の大半が事実上の借金によって賄われることだ。

ニューヨークタイムズの報道によれば、これらビッグテックによる借金の多くは「資産担保証券(Asset Back Securities:ABS)など、いわゆる証券化の手法によって金融市場から調達されるという。
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特にメタはルイジアナ州に設置する巨大データセンターの建設費など約300億ドル(4兆5000億円以上)を調達するために、「CMBS(商業用不動産担保証券)」や「SPV(特別目的事業体)」など、私達一般人には中々理解し難い複雑な資金調達スキームに依存している。

これによって巨額の借金をメタ本体から切り離し、そのキャッシュフローや利益、負債など財務状況を実際以上に良く見せることが主な目的らしい。

このように事実上の借金を不透明な資金調達スキームで偽装し、しかもそれによる成果、つまりチャットボットなどの生成AIが巨額投資に見合うだけの利益をもたらすかが怪しいことから、メタの株価は直近1か月で約15パーセントも下げた。
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これらの複雑・不透明な証券化によって資金を調達する慣行は実はメタに限定されず、(グーグル、アマゾン、マイクロソフトなども含む)いわゆるハイパースケーラー向けに建設されるデータセンター全体、つまり業界標準的に広がっているとされる。

これは、かつて2000年代に同じく複雑・不透明な「住宅ローンの証券化」によって巨大バブルを膨らませたサブプライム問題にダブって見える。

このため市場関係者の間には「現在のAIブーム(バブル)はサブプライム問題の再来ではないか」という懸念が生じた。そこから必然的に「今回のAIバブルも間もなく崩壊して、かつてのリーマン・ショックのような金融危機が再来するのではないか」という恐怖につながるのである。
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ただ一つだけ確かなことがある。



現在の生成AIブームとそれに投下される途方もない資金を正当化する主な理由は、いわゆる「AGI(汎用人工知能)」や「ASI(人工超知能)」などスーパーインテリジェンス(超知能)の実現と、その背景にある「スケール則」と呼ばれる経験則だ。
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このスケール則は最近、GPT-5などで若干頭打ちした感もあるが、OpenAIやアンソロピックをはじめ主力AI企業の経営者や技術者らは、心の底では「今後、LLMの開発に投入されるGPUなど計算資源を従来と桁違いに増加させればスケール則は息を吹き返し、その先にAGIなどの超知能が生まれる」と見ている節がある。
引用サイト: こちら

関連サイト:ドットコムバブルからの5つの警告…ゴールドマン・サックスが指摘   こちら

こちら

関連サイト:エヌビディアとマイクロソフト、それぞれアンソロピックに巨額投資へ   こちら





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Last updated  2025.11.24 07:00:07
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