東方見雲録

東方見雲録

2026.01.19
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カテゴリ: 生命


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毒性を持つプランクトンは水温が上がり始める4月ごろから5月ごろの期間に発生することが多いため、都道府県の水産関係部署では冬の終わりから海水中のプランクトンや貝の検査を行い、毒の量を検査し安全性を確かめています。

貝毒の原因成分は、餌であるプランクトンに由来します。麻痺性貝毒成分を持つプランクトンは、世界的には約10種類あります。日本沿岸ではAlexandrium tamarenseとその同属2種及びGymnodinium catenatumの計4種の渦鞭毛藻類が毒化原因になります。地域・季節によって発生する種類が異なり、まれに同時に混在して発生することもあります。下痢性貝毒の原因となるプランクトンは同じ渦鞭毛藻類でDinophysis fortii など3種類が日本海沿岸で出現しています。

近年、毒化した二枚貝を捕食したカニ類やエビ類にも毒が蓄積されることが明らかになってきました。平成11年、麻痺性貝毒が発生した東北地方の沿岸域でトゲクリガニの消化腺である肝膵臓部から高い毒性が検出されました。トゲクリガニの筋肉部(可食部)にはほとんど毒性がありませんでしたが、肝膵臓部がかにみそとして食べられるため大きな問題となってきます。
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わが国では、現在、貝毒を持った二枚貝が食卓に上らないように、先に述べたように漁場や消費市場において有毒プランクトンの監視が実施され、水揚げされた二枚貝に対してマウスを用いた毒性試験によって安全性が確認されています。この検査で二枚貝の毒力が基準値を超えると、生産者による出荷自主規制措置が講じられます。また、海外からの二枚貝も輸入命令検査で安全を確認したものが流通する仕組みになっています。こうした貝毒監視体制により、市販されている二枚貝で貝毒による食中毒が起こることはほとんどなくなりました。
引用サイト:東京顕微鏡院   こちら


引用サイト: こちら

貝毒の発生環境について


生時期はシスト(休眠胞子)の状態で海底に存在している。水温が適当になると目を覚まして
栄養細胞として増殖し、カキ、アサリ、ムラサキイガイなどの二枚貝が栄養細胞を餌として体内
に取り込み毒化する。アレキサンドリウム属の一部では現場水温が発生を知る良い指標とな
るが、ギムノディニウム カテナータムは真夏から真冬まで発生するので水温による予測が困
難である。また下痢性貝毒の原因プランクトンはシストを形成しないため、専ら栄養細胞のモ
ニタリングによって貝毒発生を予測せねばならない。
 有毒プランクトンを含む植物プランクトンの増殖には、先に述べた水温の他に、潮流、塩分、
光強度、風などの物理的要因、栄養塩濃度などの物理化学的要因、他の生物による捕食など
の生物的要因など、様々な要因が複雑に関係しており、環境要因から単純に発生を予知する
ことは困難を極める。ただ一般的に海水交換率の低い内湾で、底質が悪化している(例えば
ヘドロの堆積など)場所では、有毒プランクトンのシストが蓄積し易いので、潜在的に貝毒発生

発生を未然に予測することが重要である。

貝毒発生による被害対策

 貝毒による被害防止策としては、貝毒発生予知技術の開発、原因有毒プランクトンの殺滅技
術の開発、汚染された貝の解毒法の開発などが考えられる。

1) 貝毒発生予知技術の開発

影響する水温は予知指標として有効である。従って、予め貝毒が発生する時期に生産を控
え、プランクトンの発生が終息したら生産を再開することで汚染された貝類を処分することが回
避できる。しかし、海域によって海況条件は大きく異なること、むやみに生産を抑制すると経済
活動に悪影響を及ぼすことから、海域ごとに環境要因と細胞の変遷を詳細に監視することに
より予知技術の精度を高めていく必要がある。

2) プランクトン殺滅もしくは発芽抑制法の開発
 有毒プランクトンの細胞を崩壊させるには、たとえ有効かつ適切な薬剤もしくは化合物が見
つかったとしても、広い海域に効力を発揮させるだけの量を散布することは困難であるし、生
態系への影響が問題となると予想される。従って現実にはこれらの殺滅技術の開発は進んで
いない。有毒プランクトンの多くはシストを形成し発芽条件が整うまで海底に休眠するため、覆
砂など海底の被覆によりシストの発芽防止を行う方法も考えられるが、対象面積が広大なこと
とコストの問題があり、その実施は困難が予想される。

3) 解毒法の開発
 麻痺性および下痢性貝毒のいずれも毒力は加熱による変化はないと考えられている。しか
し、一部の貝では生きた状態でオゾンや紫外線照射海水中で飼育することで解毒が進行する
という報告もある。また、毒の大部分は中腸腺に蓄積されているのでこの部位をホタテガイ、ヒ
オウギガイ、アカザラガイのように簡便に除去することが可能であれば毒力を低下させること
が可能であり、ホタテガイにおいては実際に有毒部位を除去して出荷する手法も認められてい
る。しかし有毒部位を除去できないマガキやアサリなどではこうした手法は不可能である。現
在のところ、ホタテガイの有毒部位の除去を除き、コストや技術的な問題から解毒法の開発は
ほとんど実践されていない。

4) 風評被害の防止
 貝毒の発生は食品衛生上の問題として毒化した貝類の出荷を極力控えることが対策の中心
となっているが、生産業者からみた場合、毒化した貝の廃棄や出荷停止による生産活動の阻
害に伴う損失(漁業被害)は深刻である。さらにそれよりも大きな問題として、当該海域の水産
物の買い控えと価格下落などによる風評被害が指摘されている。風評被害の恐ろしさは、例
えば所沢ダイオキシン汚染報道、東海村の臨界事故時の野菜の買い控え、ノロウイルス流行
によるマガキの価格下落などが知られている。
 生産者や行政はこうした風評被害を恐れて情報を秘匿しがちであるが、もしそうした状況で
仮に食中毒患者が発生した場合、その地域の生産物に対する信頼は失墜し、ほぼ半永久的
に信頼回復を得ることが困難である。
 いずれにしても、風評被害は消費者の誤解や思い込み、伝達者の説明不足によって引き起
こされるものであり、その事自体は完全なる「人災」である。こうした風評被害を防止するに
は、とにかく広報・啓蒙活動を徹底して正しい知識に基づいた理解と行動を求めていくしかな
い。風評被害を恐れ、情報を「秘匿」すると、逆に科学的根拠のない噂を一人歩きさせ、これ
が啓蒙活動の最大の妨げになるので、中長期的には百害あって一利なしである。
引用サイト: こちら

島根県の貝毒監視体制
島根県では『島根県貝毒対策指針』を定めて、監視体制と貝毒発生時の対応を整えています。
県内の海域を3つに分けて、貝毒の監視を行っています。現在のところ、貝毒検査(マウスアッセイ法、機器分析法)とプランクトン調査の2つの方法で、定期的な監視を行っています。
貝毒検査の結果、可食部の毒量が一定の値(麻痺性貝毒は2MU/g、下痢性貝毒は0.05mgOA当量/kg)を超えた場合は、調査点の増加や検査間隔の短縮等を行い、監視を強化します。
万一、規制値を超えた毒量が検出された場合、直ちに関係各所に対し、その二枚貝の出荷を停止する措置を講じます。
その後、1週間に1回の貝毒検査を継続して実施し、3週連続で毒量が規制値以下となれば、出荷停止を解除します。
このような措置を講ずることで、毒化した二枚貝が市場に出回らないように努めています。

引用サイト:島根県   こちら

関連サイト:自然毒のリスクプロファイル  農林水産省   こちら

関連サイト:中海のサルボウガイから貝毒、初の規制値超え 島根県が出荷自主規制を要請
2025/12/10(水) 19:41配信   こちら
島根県は10日、中海で8日に採取したサルボウガイから国の規制値を超える下痢性貝毒を検出した。地元で赤貝と呼ばれ、冬の味覚としておせち料理にも用いられる貝で、規制値を超える貝毒の検出は初めてという。中海漁協に出荷の自主規制を要請した。

 貝毒の原因物質が可食部1キロ当たり0・29ミリグラムと、規制値の0・16ミリグラムを超えた。中海で原因プランクトンの一種が増え、県は11月27日、監視体制を強化していた。次回は12月17日に検査。3週続けて規制値以下となれば出荷の自主規制を解除する。

関連日記:2026.01.19の日記  出荷自主規制    こちら





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Last updated  2026.01.19 12:00:11
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