東方見雲録

東方見雲録

2026.04.02
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カテゴリ: 生命



さらに、2023年に発表された別の研究では、ネガティブ・ケイパビリティは「困難に直面したときに、気持ちを立て直しながら前に進む力」(=心の回復力:レジリエンス)に深く関係していることが指摘されています。とくに医療や介護、教育など、すぐに答えが出ない問題に向き合う現場では、「一度で解決しようとせず、状況を見守る余裕をもつ力」が、チーム全体の冷静さや協調を支える重要な要素になると考えられています(University of Geneva, 2023)。

医療の現場では明確な答えのない状況に向き合う場面が多くあります。ネガティブ・ケイパビリティは、そんな中でも判断を急がず、患者に誠実に寄り添い続ける力として注目されています。

「すぐに答えが出なくても大丈夫」。
そんな余白こそが、自分にも相手にも優しくあるためのひとつの在り方といえるのではないでしょうか。
確かな答えが見えなくても歩みを止めない力。それは、ケアをする人の心の安定や対話の質を支える力となり、精神的・社会的なウェルビーイングをかたち作るひとつの要素ともいえそうです。
引用サイト:結論を急がないという選択肢    こちら



関連サイト:答えを出さない勇気「ネガティブ・ケイパビリティ」が現代において必要な"心の知性"であるのはなぜか こちら
現代社会は、あまりにも「答え」を急ぎすぎています。インターネットで検索すれば数秒で解決策が提示され、SNSでは白黒はっきりした断罪や、明快な成功法則が支持を集める。効率よく、最短距離で解決にたどり着くことこそが有能さの証である。そんな空気の中で、私たちは「よくわからない状態」に耐える力を失いつつあるのかもしれません。しかし、人の心の問題は、そう簡単に割り切れるものではありません。むしろ、安易な答えに飛びつかず、モヤモヤとした霧の中に留まり続けること。

・・・・
19世紀の詩人が見つけた「心の器」
この言葉を最初に使ったのは、19世紀イギリスの詩人ジョン・キーツです。彼は、偉大な業績を残す人には共通の能力があると考えました。そして、事実や理由をせっかちに追い求めず、不確実さや謎、疑いの中に留まり続けられる能力(ネガティブ・ケイパビリティ)と表現しました。
通常、私たちは問題が起きると「なぜこうなったのか(原因)」「どうすれば解決するのか(解決)」を求めがちです。これは「ポジティブ・ケイパビリティ(問題を解決する能力)」と呼ばれ、現代社会を生き抜くためには不可欠なものです。
しかし、人生には「原因がわからない苦しみ」や「どうしようもない理不尽」が確実に存在します。その時、無理に理由を見つけて自分を納得させようとすることは、時に自分の本当の感情を押し殺すことにも繋がりかねません。





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Last updated  2026.04.02 08:00:05
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