東方見雲録

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2026.04.06
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カテゴリ: 政経



木原稔官房長官は6日に開いた会見で、中東情勢の悪化で供給不足が心配されるプラスチック原料のナフサに関して言及した。

 ナフサが6月に供給が確保できなくなるという情報がSNSを中心に広がっているが、木原氏はこれを明確に否定。

「ナフサでありますが、原油を精製して作られる石油化学製品の一種であり、プラスチックを始めとする化学製品の原料であります。このナフサに関連する製品等についてまず申し上げれば『日本は6月には供給が確保できなくなる』という情報がありますが、これは誤ったものと認識しています」と説明した。

その上で調達済みの輸入ナフサと国内精製の合計2か月分に加え、中間段階の化学製品の在庫2か月分、合計4か月分の在庫があると説明した。

「いずれにしましても、現時点では直ちに需給上の問題は生じておらず、日本全体として必要となる量を確保しております。政府としては、引き続き関係企業と緊密に連携しつつ、サプライチェーン(製品の原材料調達から製造、流通、販売などを経て消費者に届くまでの全体の流れ)確保に向けて、あらゆる可能性を排除せずに必要な対応を実施していくとともに、消費者のみなさまや各企業に向けて適切に情報発信をしてまいります」

高市早苗首相はナフサの供給不安をめぐって5日に投稿した自身X(旧ツイッター)で、中東以外からの輸入の在庫期間について「半年以上に伸びます」と見通しをつづっていた。

 木原氏は「国民のみなさまにおかれては、真意不明であるとか、不安に思われるような情報に接した場合には、政府や関係団体の公式見解を確認いただくこと、そして誤った情報を拡散しないことなどをぜひお願いいたします」と強く呼びかけた。

関連サイト:ナフサ4か月余力の内実 こちら



30日の官房長官会見は、石化企業の代替調達を政府側から数字で裏付けた形だが、「4か月分」という数字はそのまま受け取れない。分解すると、問題の所在が見える。



残りの2か月分は「米国・南米からの輸入と国内精製」だが、これは確保済みの量ではなく「見込み」だ。三井化学、三菱ケミカルなど大手石化企業が米国、アフリカ、インドからの調達を開始したとの報道はあるが、船便の到着には数週間かかる。国内精製は備蓄原油を製油所で分留する工程で、26日に始まった国家備蓄放出の原油が軽油として末端に届くのは4月中旬以降と本誌は14日付で報じた。ナフサへの配分はさらに遅れる。備蓄放出の仕組みはあっても、燃料と石化原料のどちらにどれだけ回すかを横断的に決める司令塔は弱い。そのため、備蓄を放出しても先に動くのは燃料で、石化原料の回復は後ろにずれやすい。

官房長官は医療用プラスチックについて「一部メーカーから夏頃に一部供給に影響があるとの声を把握している」とも述べた。透析回路、手術用廃液容器、注射器。これらはすべてナフサ由来の樹脂だが、薬機法の規制で原料の切り替えには承認プロセスが必要で、時間がかかる。品目ごとの在庫の厚みの差は、そのまま供給の優先順位の差になる。汎用樹脂なら代替調達で時間を買えるが、医療用途はそれができない。「4か月」の余裕が先に薄くなりやすいのは、こうした代替の効きにくい用途だ。

エチレン生産設備は国内12基のうち通常稼働を維持しているのが3基。6基が減産、3基が定期修理などで停止中だ(本誌25日付で既報、変化なし)。この稼働率のまま製品在庫を取り崩していけば、2か月という数字は早く縮む。

関連日記:2026.04.01の日記  備蓄放出でも届かないナフサ   こちら

関連サイト:「来月には6割まで持ち直す」日本の原油危機、政府が示した来月回復への道筋 こちら
5日のNHKによると、政府関係者は、迂回ルートによる調達と備蓄油の活用を並行させることで、来月には前年同月比で約60%相当の原油を確保できるとの見通しを示した。

今月の原油確保量が前年同月の20%程度にとどまる見込みであることを踏まえると、大きな増加となる。

代替ルートとしては、アラブ首長国連邦(UAE)東部のホルムズ海峡出口付近にあるフジャイラ港や、サウジアラビア西部のヤンブー港を出発し、紅海を通過する航路などが挙がっている。このルートを活用すれば、UAEとサウジアラビアからは前年同月比で約半分の量を確保できる見込みだ。

さらに同メディアは、米国テキサス州からは前年の供給量の4倍に当たる原油を調達できる見通しで、アゼルバイジャンからも追加供給が行われると伝えた。

不足分は備蓄油の放出で補う方針で、政府は来月、国家備蓄油から約20日分を追加放出する案を検討している。

政府は、代替ルートによる調達と備蓄油の放出を組み合わせることで、現時点では来年初めまでに必要となる原油供給量を確保できるとみている。

関連サイト:ナフサ供給不安で対策を=エネルギー不足へ節約要請も―経団連会長 こちら
経団連の筒井義信会長は6日の記者会見で、中東情勢の緊迫化に伴うナフサの供給不安に関し、政府に「早期に実態を把握し、総合的な対策を検討してほしい」と求めた。

 筒井氏はナフサについて「供給網が複雑で、ホルムズ海峡の封鎖が長期化すれば、国民生活に重大な影響が及ぶ」と指摘。医療機関への優先的供給も選択肢だと訴えた。また、「(石油)備蓄があるうちに需給両面で検討を急ぐべきだ」とも述べ、エネルギー不足に備え、国民への節約要請も排除すべきでないとの考えを示した。





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Last updated  2026.04.07 09:24:41
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