プレリュード

プレリュード

2008年01月21日
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カテゴリ: クラシック音楽
初雪だ!

今朝目が覚めて起きるとあまりの寒さに身ぶるいをしていました。 空気を入れ替えようと窓を開けてみるとなんと雪が薄らと積もっているではありませんか。 近所の風景がわずかな積雪でも一変しています。 

雪が降ると寒いのですが、童謡の犬みたいに心が躍りました。 大阪で雪が降るなんて珍しくなってしまい、ほんとに嬉しくなりました。 子供のころは冬になるとよく雪が降り何センチも積る日があって「冬日」が多くあったのですが、今や大阪では「冬日」は死語になっています。

まるで子供に帰ったように心が躍ります。 大雪に悩まされる地域の人には悪いのですが、雪ってほんとに心が和むものなんですね。

あいにく雪が小雨となっているために写真撮影はやめました。

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珈琲タイムに一曲 」      ラロ作曲 スペイン交響曲




いかにもヴァイオリンを知り尽くしたラロらしく華麗な協奏曲となっており、この曲を当時の優れたヴァイオリン奏者で作曲家でもあったサラサーテ(1844-1908)に捧げられています。

ラロはフランス人ですが、祖父の代までは純粋なスペイン人だったそうで、ラロにもスペインの血が脈々と流れていたのでしょう。 しかし、彼の名前が作曲家として認められるようになったのはこの曲を発表してからです。 42歳まで独身で生活に追われていた彼がアルト歌手と結婚して、その彼女から熱心に作曲を勧められてから本格的に活動を始めたそうです。 

この曲はヴァイオリン協奏曲としては2番目の曲になり、名前もヴァイオリン協奏曲として残っている曲があります。 その協奏曲や以前にもこのページで紹介しました「チェロ協奏曲」やオペラ「イスの王様」などを書いています。

ラロの名前は名実共にこの「スペイン交響曲」によって音楽史上に確立されていますが、時にラロが52歳という晩年でしたから、フランスのセザール・フランクやオーストリアのアントン・ブルックナーと同じく「大器晩成型」だったのでしょう。

曲は濃厚なスペイン的情緒に溢れており、 曲の冒頭の独奏ヴァイオリンの華麗な、むせ返るような情熱的なメロディを聴いた瞬間から聴き手はスペインへと誘われたような気分になります。 血が騒ぐ闘牛場の熱気、フラメンコダンスのむせ返る官能的な情緒、熱くかき鳴らされるスペインギターの音色、地酒のワインとパエリャの香りが一度に部屋中に沸き立つかのような曲の始まりです。 そしてその気分が終楽章まで持続しています。

尚、この1800年代後半はヨーロッパでは「旅」が頻繁に行われるようになったせいでしょうか、「エキゾチック(異国情緒)」ということに作曲家が魅かれており、チャイコフスキーの「イタリア奇想曲」、R.コルサコフの「スペイン奇想曲」やフランスのシャブリエの「スペイン狂詩曲」などにも窺えます。

ラロ自身もこの曲同様に他のヴァイオリン協奏曲にサブタイトルを付けています。 彼は全部で4曲の協奏曲を書いており、2番にあたるのが「スペイン」、3番が「ノルウエー幻想曲」、4番が「ロシア協奏曲」と言う風にラロも流行のエキゾチック・ムードに乗って書いたのでしょう。

しかし、この曲については、ラロに流れる「スペインの血」がこうした音楽を書かせたのかとも思います。

長い間この曲を聴いていないので、今日はスペイン情緒にひたりながら聴いてみたいと思っています。

愛聴盤 

(1)アンネ=ゾフィー・ムター(Vn) 小澤征爾指揮 フランス国立管弦楽団

TOCE13284


カラヤンに認められたのが76年、ムター13歳。 その翌年14歳でカラヤンと共演して一気にヴァイオリン界の妖精として、カラヤンと立て続けに演奏会・録音をこなしてきて、7年後の1984年に小澤征爾と組んでようやくカラヤンから離れた時の録音で、これが21歳の演奏かと思うほどに、もう完全に自己主張を堂々とやってのけている記念碑的演奏・録音です。 奔放で溌剌として、情熱的に弾きまくり、劇的緊張感も兼ね備えながら、色彩豊かな歌心たっぷりに聴かせてくれます。

ただこの演奏がベストという意味ではなく、他にもグリュミオーやキョン・チョン・ファ、デュメイ、オイスオラフ、サラ・チャンなどの優れた演奏などが録音されています。 

オリジナルの国内盤は88年にリリースされていますが、私が初めて購入した記念すべきCDの第1枚目にあたる盤でもあり(型番CC-30-9071)、現在の3,000枚のライブラリーの出発点になったという意味でここに紹介させていただきました。

現在はリマスターされて1300円と値下げされて発売されています。

(2) イザ・ヘンデル(Vn) カレル・アンチェル指揮 チェコフィルハーモニー

COCQ83817 1964年録音


1924年生まれですから今年84歳の現役女性ヴァイオリニスト。2004年の来日コンサートでブラームスの協奏曲で話題になった人。 高温の魅力がたまらない演奏で、このスペイン交響曲録音時は40歳という脂の乗り切ったころで、技巧的には現代の若手にかないませんが、オーラのような物を発して高音の魅力をまき散らしている魅力ある演奏であり、現代では求め得ないスタイルの演奏ということから紹介しておきます。 1260円盤として再発売されています。

(3)ミッシャ・エルマン(Vn)  ウラジミール・ゴルシュマン指揮 ウイーン国立歌劇場管弦楽団

COCQ83834 1960年録音
(ヴァンガード原盤 DENON COCQ83834 1960年録音)

これも往年のエルマン節が味わえるミッシャ・エルマンの美しいヴァイオリンの響きと率直な表現スタイルが魅力のヴァイオリン。 独特の艶やかな表現が魅力。 現代の演奏家からは味わえない昔のスタイルです。 


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今日の音楽カレンダー

1903年 初演 ショスタコービチ 交響曲第3番「メーデー」
1941年 誕生 プラシド・ドミンゴ(テノール)
1948年 没  エルマン・ヴォルフ=フェラーリ(作曲家)

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今日の一花 」         椿


椿






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最終更新日  2008年01月21日 09時54分04秒 コメント(6) | コメントを書く
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