premier's  Diary

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2009.07.15
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カテゴリ: なぜ?

 木村拓哉主演の 『MR.BRAIN』 のように変則的なスケジュールでまだ放送中の作品も残っているが、ほとんどの春ドラマは終了し、現在は夏ドラマがスタートしている。テレビ誌でドラマ評を担当してきた萩原まみさんに、春ドラマの総括をお願いした。

急浮上した『アイシテル』と『臨場』の2位争いの行方は…

 天海祐希主演の刑事ドラマ 『BOSS』 (フジテレビ系)が最終回視聴率20.7%(関東地区、ビデオリサーチ調べ。以下、同)で終了した。最後に20%超えを果たしたものの、平均は17.14%。途中、同週放送分の視聴率で比較すると 『MR.BRAIN』 を抜いた回もあったが、7話終了時点で平均視聴率20.44%の『MR.BRAIN』を破ることはできないとみてよさそうだ。

 『BOSS』

 既に終了している春ドラマだけを比較してみると、第2位には急激に数字を伸ばした 『アイシテル~海容~』 (日 本テレビ系)が入った。少年が少年を殺すという重いテーマに真っ正面から取り組んだ作品で、初回13.2%からスタートし、最終回は18.6%までアッ プ。平均すると14.82%だった。衝撃的な内容ながら、興味本位に煽ることなく、ブレずに丁寧に描いていったところが、視聴者の興味と静かな共感を誘っ たのだろう。

 中盤までリードしていた内野聖陽主演の警察モノ 『臨場』 (テレビ朝日系)は初回14.1%、最終回15.3%で、平均14.48%と第3位。こちらも派手さはなかったものの、登場人物の心理や事件捜査の内容をしっかりと描いており、すでにシリーズ化された作品のような安定感だった。

 以下、阿部寛主演の 『白い春』 が平均12.60%、櫻井翔と横山裕が熱演を見せた 『ザ・クイズショウ』 が12.08%と続く。

 こうして結果を見てみると、今回は視聴率とドラマの出来栄えがおおむね釣り合っているように思える。テイストはバラバラで、好き嫌いが分かれそうな作品もあるが、どれも大作ではなくとも、見応えがあった。

 キムタク主演作ということで別格扱いの『MR.BRAIN』も、脳科学を応用した謎解き部分が子供向けなわりに演出が残虐だとか、木村拓哉の若作りがイタいなど、ツッコミどころは多いが、セットもゲストも豪華。予算のかかった力作であることは間違いない。

『婚カツ!』が史上最低の“月9”になったワケ

 視聴率的にはいまひとつだったドラマにも目を向けておこう。

 まず、“月9”史上初の視聴率1ケタ台、歴代最低の8.8%まで記録してしまった 『婚カツ!』 。出だしは16.3%と普通だったが、平均は10.63%と、これまた“月9”史上最低。

 「婚活」「草食系男子」と話題のキーワードを用いて、人気グループSMAPの中居正広を主演に起用したにもかかわらず、この結果。ドラマ全体の不振が一 つの要因だとしても、数字が取れているドラマもあり、裏でオリンピックなどの大きなイベントがあったわけでもない。いったい、何が敗因だったのか。

 一つは、主演にまったく気合が感じられなかったこと。そういう設定の役だったのかもしれないが、とにかく主人公がイキイキとしておら ず、魅力がなかった。主人公だけでなく、妻からDV(家庭内暴力)を受けていた幼なじみ(谷原章介)、理想の結婚相手を探し求めていたはずがあっさりと年 配の男性(橋爪功)とくっついた“結活女王”(釈由美子)ほか、人物の描写が浅く、商店街の再開発問題などの展開も場当たり的で、面白味が感じられなかっ た。

 一方、最初から低迷したまま浮上できなかったのは、日曜劇場の 『ぼくの妹』 (TBS 系)。オダギリジョーと長澤まさみという人気俳優の顔合わせが話題を呼んだが、6.3%だった回もあり、平均8.01%に終わった。兄妹の絆をじっくり描 くはずが、最初に「自殺か、殺人か!?」といったサスペンス要素を入れてしまい、方向性がはっきりしなかったのが敗因だろうか。ドラマとしての評価は次第 に上がっていったものの、冒頭で視聴者を引き込むことに失敗し、いったん離れた視聴者を戻すことができなかった。

ドラマの人気は視聴率だけで測るのは無意味!?

 かつてはヒットの目安として信頼の高かった視聴率だが、最近はそれだけで人気を測るのは難しい。

 以前は、初回で数字が取れなければ巻き返すのは困難だったが、今はすぐにリピート放送したりデータ配信したりする局が多く、ネットで検索すれば見逃した ストーリーも補うことができる。『アイシテル』のように後から大きく伸びるドラマが増えたのも、そういった背景が考えられる。

 また、テレビの見方も大きく変化している。リアルタイムで見るだけでなく、パソコンの予約録画機能を使ったり、ワンセグで見たりする人 も多いが、視聴率に反映されるのは放送時間にテレビで試聴した場合のみだ。気に入ったドラマは放送と同時に見たい、という人もいれば、録画しておいてじっ くり見たい、と考える人もいるだろう。

「『婚カツ!』 は視聴率は奮わないものの、実は録画率が高い」という報道もあったが、ソネットエンタテインメントの「G ガイド.テレビ王国ランキング」を確認してみると、『婚カツ!』が1位になったのは第1話の週のみで、あとはやはり『BOSS』と『MR.BRAIN』が 上位を占めており、『婚カツ!』が際立って人気だという傾向は読み取れなかった。

 「G ガイド.テレビ王国ランキング」は、So-netの地上デジタル番組表サイト「G ガイド.テレビ王国」から録画予約(iEPG)ボタンが押された回数を番組ごとに集計したもので、ユーザー属性の中心はテレビ機能付きのパソコンを使って いる30代男性。『婚カツ!』の主人公と同年代の男性の間では、ほかの世代より多少、関心が高かったとは言えるだろう。

 「G ガイド.テレビ王国ランキング」では、むしろ、 『スマイル』 (TBS 系)のランクインが目を引く。嵐の松本潤主演、中井貴一、新垣結衣の共演で、人種差別や裁判員制度の問題をシリアスに描いた作品だ。平均視聴率 10.15%と苦戦し、最後の2話で脚本家が宅間孝行から篠崎絵里子に変わったことでさまざまな憶測を呼んだが、暗い中にも希望のある意欲作ではあった。

 『MR.BRAIN』のようにイレギュラーな放送期間のドラマも増え、「春ドラマ」「夏ドラマ」といった1クールでの区切りも難しくなってきている。キ ムタクのドラマが以前ほど圧倒的な数字を取れなくなっているのも、ドラマ試聴スタイルの多様化が影響しているのかもしれない。

萩原まみ(はぎわら まみ)

フリーライター。『テレビブロス』(東京ニュース通信社)にて「あらま美形」を7年間連載、インタビューしたイケメンタレントは約200人! サイ ゾーウーマンにて新連載「イケメン図鑑」がスタートしたばかり。ムーミンのコレクターとしても有名で、セクシュアルマイノリティにも詳しい。






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最終更新日  2009.07.15 04:46:28コメント(0) | コメントを書く
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