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2009.11.12
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カテゴリ: なぜ?

「BusinessWeek」

Moira Herbst (BusinessWeek誌記者)
米国時間2009年11月5日更新 「 East Germany 20 Years After Reunification 」

活気あふれるイエナやベルリン、過疎化や高失業率にあえぐ地方

 ベルリンの壁が崩壊した20年前、旧東独地域では、社会・経済体制の再構築が不可欠とされた。東西ドイツ統一後の5年間で、約1万4000社に上る旧東独の企業が閉鎖または民営化され、約400万人が職を失った。

 それから20年、旧東独が抱える経済やビジネス環境の現状は複雑だ。首都ベルリンやドレスデン、ライプチヒなどの都市部では起業家精神が根づき、新興テクノロジー企業や小規模ベンチャー企業が次々と誕生している。

 活気に満ちた学園都市イエナは、不況下でも安定した雇用水準を維持している。その反面、大都市以外の多くの地域が過疎化や高失業率にあえいでいる。

旧西独地域との経済格差は縮小

 旧東独地域全体としては、この20年間で大幅な発展を遂げた。

 独政府の調査によると、旧東独の1人当たりGNP(国民総生産)は、2000年には旧西独の67%相当だったのが、2008年には71%相当まで増加。 また、独Ifo経済研究所(本部:ミュンヘン)のリポートによれば、1991年には旧西独の60%相当だった可処分所得も、2007年には78.6%相当 にまで増加している。

 失業率についても、旧東独地域は現在12.3%と、旧西独地域の6.9%に比べると依然極めて高い水準にあるが、2003年の最悪期に記録した20%からは大幅に改善した。

 実際、独IW経済研究所(本部:ケルン)が11月3日に発表した研究分析では、旧東独各州は、あと10年もすれば旧西独の経済発展が遅れている州 と肩を並べるまでの経済成長を遂げ、旧西独でも特に後進州とされるニーダーザクセン州とシュレースビッヒ・ホルシュタイン州に追いつくのは時間の問題と予 想されている。

 例えば、旧東独のチューリンゲン州はこの20年間、年平均10%の製造業成長率を達成。首都ベルリンを取り囲むブランデンブルク州も、同じく年平均8%の成長を遂げてきた。

 また、独政府が6月に発表した 調査リポート によると、旧東独各州は、旧西独よりも「(経済)危機に対する抵抗力が強い」という。旧東独地域には中小企業が多く、不況下でもより柔軟な対応が可能であるうえ、旧西独の企業に比べ輸出依存度がはるかに低いためだ。

新興テクノロジー企業の一大拠点、イエナ

 旧東独地域でも有数の経済発展を遂げた都市の1つが、イノベーションと起業家活動の中心地へと発展を遂げたチューリンゲン州の学園都市イエナだ。

 イエナは、ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテやフリードリッヒ・シラーなどのドイツの文豪がかつて暮らした都市で、市内中心部の古い街並みは整然としていて、保存状態もよい。

 13世紀建造の旧市庁舎と16世紀建造のゴシック様式の教会がある周辺には、中世に作られた市場広場や趣のある狭い路地、植物園などがあり、夜になると、市内のフランス料理店やアイリッシュパブ、ドイツ料理レストランは、学生や大学の教職員、若手ビジネスマンで賑わう。

 イエナには、有望な旧東独系テクノロジー企業数社が本拠地を置き、その中には、レンズメーカーの独 アスフェリコン 、ダイオードレーザーや光ファイバー技術を使った医療機器メーカーの独バイオライテック( BIBG.F )、世界屈指の半導体レーザー技術会社で、創業から100年以上の歴史を誇る独 イエナオプティック (BusinessWeek.comの記事を参照:2009年10月20日「 Jenoptik:An East German Bright Light 」)などがある。

 イエナに本社を置くテクノロジー企業の中でも最も成功を収めている企業の1つに、電子商取引ソフトウエアを提供する独インターショップ・コミュニケーションズ( ISHGk.DE )がある。同社は世界中に300社もの顧客企業を有し、米IT(情報技術)大手サン・マイクロシステムズ( JAVA )や米パソコン大手ヒューレット・パッカード(HP、 HPQ )などの大手企業も主要取引先に名を連ねている。

 イエナ以外では、ドレスデンもテクノロジー企業の活動拠点となっており、独半導体大手インフィニオンテクノロジーズ( IFXGn.DE )がシリコンウエハー工場を置くほか、米半導体大手アドバンスト・マイクロ・デバイス( AMD )も最先端のMPU(超小型演算処理装置)工場を築いている。

 さらにベルリンも、ソフトウエア企業が集まる都市として急速に注目を浴びており、3D仮想世界「トウィニティ( Twinity )」を運営する独メタバーサムやオンラインショッピングサイト「カウフダ(kaufDA)」を運営する独カウフダなどの新興企業の後に続こうとする起業家たちが集まってきている。

衰退する地方

 だが、旧東独の農村部や過疎地の現状は、活気に満ち溢れるイエナやドレスデン、ベルリンとは極めて対照的だ。ポーランドと国境を接するゲルリッツなど、 比較的保存状態のよい街並みが保たれている都市でも、いくつかの地区では、閉鎖された廃墟と、営業中の店舗や住宅とが混在している。

 東西ドイツ統一以降、投入された補助金の額は約1兆5000億ユーロ(現在の為替レートで約200兆円)に上る。だが、生産性や賃金、1人当たり資産の低さなど、旧東独の経済発展が遅れた地域が抱える慢性的な問題の解決には至っていない。

 こうした厳しい現実に直面する旧東独の住民の間では、ベルリンの壁崩壊以前の時代を懐かしむ声も聞かれるようになっている。

 独左派系市民団体フォルクスゾリダリテートが6月に実施した 世論調査 に よると、「ドイツ民主共和国(GDR、旧東独)は、悪い面よりも良い面の方が多かった。問題もあったが、生活はGDR時代の方が良かった」との設問に対し て「そう思う」と答えた回答者は半数近くに上った。さらに、8%の人が「GDRは総体的に見て良い国だった。現在の統一後のドイツよりも、GDR時代の方 が幸福で良い生活が享受できた」との設問に「そう思う」と答えている。

 スイスのコンサルティング会社 プログノス の独ブレーメン支社のプロジェクトマネジャー、ピーター・カイザー氏は、旧東独地域、ひいてはドイツ全体の経済発展を促すには、イエナのような都市が格好の手本になると語り、「技術集約型や知識集約型の産業やサービス」の振興が必要だと指摘する。

 そのためには、教育水準の高い労働力、経営や技術の高度な専門教育を受けた若者の人材供給、起業家精神の継続的な発展が不可欠だ。

■輝かしい成功を収めている旧東独地域の企業を紹介するBusinessWeek.comのスライドショーは こちら

© 2009 by The McGraw-Hill Companies, Inc. All rights reserved.






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最終更新日  2009.11.12 03:10:54コメント(0) | コメントを書く
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