
白鵬(左)が上手投げで朝青龍を破る
◆大相撲九州場所千秋楽 ○白鵬(上手投げ)朝青龍●(29日・福岡国際センター)
横綱・朝青龍の最強神話が完全崩壊した。12回目の優勝と年間最多 勝の新記録を樹立した横綱・白鵬と結びで対戦したが上手投げで倒され4連敗を喫した。これで今年は白鵬に本割で6連敗。同一年で同じ横綱同士の対戦で6連 敗は史上ワースト。今場所は過去、すべて優勝してきた初日から11連勝を飾りながらもV逸。白鵬が年間86勝と大記録を打ち立てた陰で朝青龍の衰えが浮き 彫りになった。来年初場所は2010年1月10日に両国国技館で初日を迎える。
09年の結びの一番。白鵬と朝青龍がにらみ合う。熱気で包まれた満員御礼の土俵。展開されたのは残酷な主役交代劇だった。
朝青龍は先手だけ取った。右を差し白鵬の左上手を与えない。下手投げをこらえ、頭を付けて抵抗した。が、それだけだった。攻められないのだ。防戦一方で 左上手を許す。20秒、30秒…。最後はもてあそばれるように寄られると左からの上手投げで転がされた。44秒9の一番で見えた現実は、86勝を決めた現 役最強横綱との格差だった。
09年。ついに本割で白鵬に勝てなかった。屈辱の6連敗。同一年で同じ横綱同士で一方が5連敗は79年、2代目若乃花が北の湖に喫するなどしているが6 連敗は史上初だ。初日から11連勝で賜杯を逃したのも自身初。過去の最強伝説が崩壊するワースト記録だ。07年夏以来の4連敗で迎えた支度部屋。「右腕に 力は入らない。返せないんだ」。けがを言い訳に使った。悪態もない。苦笑いを浮かべる姿は痛々しかった。
3場所連続休場明けからスタートした今年は2度の優勝を飾った。「前半は集中力もなくけがもあってつらかったけど後半はよかった」と総括した。来年は王 者・白鵬に挑む挑戦者として迎える。「何かが足りないんだろうね。反省しないとね。4回優勝してやる」。強がったセリフもむなしく響く。師匠の高砂親方 (元大関・朝潮)は「けがさえ治せば問題ない」とかばうが武蔵川理事長(元横綱・三重ノ海)は「前は負けた次は厳しい相撲を取っていたのに」と衰えを指摘 した。「何かを考えないといけないね」。30日に治療を理由にモンゴルへ帰国する。相も変わらぬ場所後の帰国。言葉とは裏腹の危機感のなさは、命取りにな るかもしれない。
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