(1)Webアプリ版と、モバイル版」も登場
Office 2010の最大の特徴は、従来と同様パソコンにインストールして使う「リッチクライアント版」に加え、Webブラウザー上で動く「Webアプリケーション 版」と、携帯電話などで利用する「モバイル版」の3種類が用意されること。これにより、Officeがインストールされていないパソコンや外出先の携帯電 話などでも、いつでもどこでもOffice文書にアクセスし、閲覧・編集できる環境が整う(図1)。
特にWebアプリケーション版は、“ソフトウエア”ではなく“サービス”として提供されるOffice製品として注目されている。ブラウザー上で動くオ フィスと言えばGoogleの「Googleドキュメント」があり、その対抗策と見られることも多い。マイクロソフトは、Webアプリケーション版の Officeを個人向けに無料で提供する。リッチクライアント版に比べて機能は制限されるが、インターネットを介した共同作業など、新たな活用法が広がる はずだ。
無料のOfficeがブラウザー上で使えるとなれば、「リッチクライアント版は買わずに、Webアプリケーション版だけで済ませよう」と考える人 がいるかもしれない。だがマイクロソフトによれば、リッチクライアント版とWebアプリケーション版、モバイル版の3つは、できることがそれぞれ異なり、 トータルで新しい価値を生み出すものだという。
「製品を縦割りにしていかに機能を詰め込むかではなく、リッチクライアント版とWebアプリケーション版、モバイル版を3つとも使ってもらったと きに1番良い価値をどう提供できるか考えている。ブラウザーだけで多くのことをやろうというのではなく、パソコン、ブラウザー、携帯電話の各端末において 何が1番必要かということ。これからは、どちらがスーパーセットでどちらがサブセットかという議論はつまらない。その端末、その場所で何が役に立つかを考 え、開発を続けている」(米マイクロソフトのコーポレートバイスプレジデントを務めるOfficeプロダクトマネジメントグループの沼本健氏)。3つの Officeは場面に応じて使い分けるべきで、端末に応じた最適な機能が盛り込まれるとのことだ。
とはいえ、多くのユーザーにとって最も身近に使われることになるのは、従来と同様、リッチクライアント版のOfficeだろう。そこで今回はま ず、リッチクライアント版の主要なアプリケーションとなるWord、Excel、Outlook、PowerPoint、IMEの5つについて、使い勝手 や新機能をレビューしたい。
リッチクライアント版に限って言えば、Office 2010は原則、現行のOffice 2007の見た目や使い勝手を継承している(図2)。そもそもOffice 2007は、リボンインタフェースの採用やファイル形式の刷新など、「過去10年間で最大の変化をもたらす」(マイクロソフト)と評されるほど大きなバー ジョンアップだった。それに比べて、リッチクライアント版のOffice 2010が小幅な変更にとどまるのは当然かもしれない。
しかし細かく見ていくと、リボンのカスタマイズが可能になり、「Officeボタン」の動作が変わるなど、使い勝手は随所で向上している。機能面 でも、レタッチソフトのような画像加工機能やスクリーンショット機能が加わったほか、Excelには新機軸のグラフ機能、PowerPointには簡易的 なビデオ編集機能が搭載されることになった。こうした変更点、新機能について、次章から具体的に見ていこう。
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