マイクロソフトは2010年6月17日、オフィススイートの最新版「Office 2010」を一般発売する。既に企業向けのボリュームライセンス提供は開始されており、製品版に当たるRTM版(製造工程向けリリース)や、ボリュームラ イセンス版の利用は可能だ。日経パソコン編集部では、このRTM版を利用し、いち早くOffice 2010の評価を進めている。ここでは、Office 2010で最も注目される新機能「Webアプリケーション版」(以下、Web版)のWord、Excel、PowerPointについて、詳しく解説す る。
そもそもOffice 2010のWeb版とは、Webブラウザー上で動作するWebベースのOfficeアプリケーションである。パソコンにOfficeがインストールされて いなくても、インターネット環境とWebブラウザーさえあれば、Officeを利用できるというものだ。類似の製品としては、グーグルの「Googleド キュメント」が有名。インターネット(クラウド)上にOffice文書を保管し、そのままインターネット上で閲覧・編集するという、まさに“クラウド時代 のOffice”といえる。
Office 2010のWeb版は、正式には「Office Web Apps」と呼ばれ、Word、Excel、PowerPoint、OneNoteの4つが提供される。Webブラウザーとしては、Internet Explorer 7以降、Safari 4以降、Firefox 3.5以降をサポート。企業内でサーバーにインストールして使う「オンプレミス版」と、無料のWebサービスとして提供される「Windows Live版」がある。これらを通じて、「自分のPCが手元になくても、インターネットを経由することで、いつでもどこでも仕事を進めることができる」(プ レスリリースより)というのが、Web版Officeの売り文句だ。
ただし、同社はWeb版を“簡易版”と位置付けていて、機能を大幅に制限している。Web版は、パソコンにインストールして使う通常のOffice 2010を「補完」するものであり、Office 2010を持っていないユーザーが、Web版だけを使ってOffice文書を作成するといった用途は想定していない。もちろん、Windows Live版では、無料のOffice Web Appsを誰でも利用できる。だが同社では、ベースとなるOffice文書はパソコン上のOffice 2010で作成し、その文書に外出先でアクセスしたり、ほかのユーザーと共有、共同編集する場合に限って、Web版を利用することを想定しているようだ。
実際にWeb版を使ってみると、確かに機能は限られていて、「無料のWeb版でOfficeが使い放題」とは言い難い。今回のレビューに利用したのは、 企業向けに提供されているオンプレミス版のOffice Web Apps。Windows Live上で提供されるWeb版とは異なるが、機能や使い勝手が大きく変わることはないだろう。オンプレミス版では、バージョン2007以降のファイル形 式(docx、xlsx、pptx)のみが編集可能になっている。
ちなみに、Windows Live版は現在、2009年9月に公開された「テクニカルプレビュー」(開発中の評価版)を試用できるが、編集機能はExcelとPowerPoint でしか利用できない。これらのテクニカルプレビューが製品版でどのように仕上がったのか、また今までほとんど情報のなかったWeb版のWordがいかなる ものなのか、オンプレミス版のOffice Web Appsを基にレビューしていこう。
まず最初に、Word、Excel、PowerPointの各Web版に用意された編集用のメニューをすべてお見せする。Web版のメニューにも、 Office 2007以降で採用された「リボン」が採用されていて、タブを切り替えて機能を選択するユーザーインタフェースとなっている。しかしながら、パソコン版に 比べてタブの数は2つ、もしくは3つと非常に限られている。その上、「ホーム」タブ以外にはほとんどボタンがなく、機能の貧弱さは一目瞭然だ。
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