拡がるテネーブル
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「あ、あの、先輩!」 「なんだ?」 急に、同級生の女の子に呼び止められる。 どうしたんだろうか、顔が赤い。 「これ、あのっ、バレンタインのチョコレートです! あんまり美味しくないかもしれないけど…、頑張って作りました!」 「……、そうか」 「はいっ! よ、よければ貰って下さい…!」 顔をほんのり赤らめて、可愛らしくラッピングのされた箱を突き出される。 そういえば今日はバレンタインだったか。 「…、ああ、有りがたく貰っておくよ。 ホワイトデー、楽しみにしとけ」 ふ、と微笑めば女の子は顔を真っ赤にして、それこそ茹で蛸のような色になっていた。 可愛らしいなぁ、俺とは大違いだ。 そんな事を考えていると、女の子は失礼します、と走り去って行った。 これで何人目だ? この高校に入ってから1年ぐらいが経った。 初めは、茶色のカラコンはやめろだの喧嘩はするなだの、無能な教師に怒られてばかりで、誰も近付こうなんてしなかったのに。 夏休みが終わって、教師達が俺に何も言わなくなってきたら、今度は女子が群がってくる。 付き合って下さい。恋人にはなれなくていいから一回だけデートしてくだささい。一回だけでいいからえっちしてください。 今まで色んな言葉を投げ掛けられた。 …最後のは、稀だけど。 まあ、俺には女を抱く趣味は無い。 かといって男を抱いたり抱かれたりというのも無い。 そんなワケで今まで彼氏も彼女も居ない。 恋人が居るのがステータスとか思ってる奴は俺を蔑むが気に……。 いや、よく考えたら彼氏は居る、のか? 確か付き合い初めてかれこれ8ヶ月だった気がする、親友は長いとかいうが、短い方がどうかと思うぞ俺は。 そんな事を思うが、仕方ないので彼氏という存在の為にチョコレートをやろうと思った。 ……、チロルチョコでいいか。 そんな、たいそれたものを渡すのも気が引けるし。…何より、相手が相手だから。 やれやれと、今日という日を少しだけ恨みながら、俺は教室へと向かうのだった。 :.:.:.:.:.:.:.:.:.:. 主人公は恋と言うものをしないのです。 ただ、相手に愛されてるから、愛を返すだけ。 それだけなんです。 しっかし、なんかおもろないわ…
2008.02.16
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