昨夜の雪は、うっすらと積もっている。
TVで電車の運行状況を確認して
いつも通りに、家を出た。
バス停までの道、路面は凍っていて
時々足を取られるけど、凍った雪を踏む時の
「ザクッ」という感触が面白く
子供のように、わざと踏みまわす。
昨夜は、なかなかタクシーが来なくて
結局40分歩いて帰った。
真っ白の東京も、結構いいかな...
なんて思ったのは、歩きだして数分。
濡れ始めた革靴と、傘を通り越して
襟もとに舞い込む雪で、すっかり濡れ鼠。
時計の針は2時を指そうとしていた。
誰も踏みしめていない雪は、美しい。
角ばった車も、雪で丸みを帯びたオブジェになる。
だけど、一晩経ったこの雪は
溶けかけて凍り、地面は汚く露出している。
ほんの数時間前までは
あんなに綺麗だったのに。
白い色に、純粋(ピュア)なものを感じるのは
自分がグレーに染まったからか
白い雪に足跡を残したくなるのは
自分の存在を刻みたいからなのか
バスの中から、昨夜の情景を思い浮かべながら
目を瞑った。
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