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安倍首相の解散会見
●平生よりもことばを選んでいつもより慎重な違った首相にみえた。 そして発言の内容も論点を絞って明確で具体的だった。 加えて表情も冷静に自制的であったといえる。
要点は 11 月 21 日に解散する。 来年 10 月から 1 年半延ばして平成 17 年に消費税を 10% に増税する。 その際、経済状況による付則条項は外す。 そのた記者団からの質疑応答の中で軽減税率は与党の中でよく検討すると初めて言及した。 選挙について与党で過半数の 238 議席を取れないときは退陣すると大見得をきった。 そこまでの敗北があり得ない数字を述べて退陣という不退転の気持ちを国民大衆に反転表明するいわば開き直りの自信の効果を狙った表明であった。
とくにこの中で軽減税率に軽く反応したことは大方の有権者ならびに国民大衆に税の中で自身の選択の余地の想像世界が拡がる期待感をうまくさりげなく煽った点はいわば国民大衆に対するお土産だ。 今回この条項がいまの法律補足条項として挿入されていたら解散せずとも負担覚悟でそのまま来年の 10 月でもよかったのかもしれない。なにか持って回った芝居じみた解散くさいと見えなくもない。
そういう意味ではこの解散は安倍政権のアベノミクスの追認とあらたなダメ押しの気合を入れなおす仕切り直しのしつらえになったようだ。 それだけにこの年末に、 700 億円もかけて・・・・との恨み節が聞こえるのも無理からぬことかもしれない。
しかし今度の選挙はいずれにしてもアベノミクスの屈折点に立ち至ったことは間違いない。 かりに過半数を維持しても、つぎに何を為すかが課題である。
それがアベノミクスのさらなる焦点なき株価連動に繋がるのかは問題であろう。
これ以上の円安と株価上昇の二律背反がいつまでも続く訳はない。 やはりいままで看過して手を付けなかった日本の内なる課題に正対しないとこの後の政権維持にも差し障りが出ることは避けられない。 曲がりなりにも選挙で選ばれた国会が国民大衆の気持ちをうまく吸い上げられて政策課題化が出来ているかである。 いろんな国民大衆がいることは勿論そうだが、やはりそれにも多数決の論理があて嵌められないとおかしい。 いわゆる民意が捻じ曲げられて
いることも現実には多々あるのである。 安倍政権にももちろんある。
しかし基本的な大きな政策課題についても安倍政権はやはりフタをしていることもあるのである。 かつまた、それに至る過程で実際の実務を担っている官僚組織が実に恣意的に政治を裏操作していて政治家と癒着していることも政策課題の政治への到達―の透明化を著しく捻じ曲げて阻害も意識的に邪魔も
している。 この政治の中間部落の整理整頓はいまだ魑魅魍魎の政治も手が入れにくい現況にはいまも変わりない。 石が浮いて葉っぱが沈むような違和感を払しょくしなければ安倍政権は本当に安倍政権としては儚いものなのだ。 安倍政権はそういう意味で政治を経済に光を当てすぎて国民大衆をある意味幻惑して日本の本当の糺すべき暗部には自分も目くらましの自縄自縛に陥っている。 そのことに手入れしないでは生きている政治はやはり微妙なバランスを欠くのである。 美しい日本、つよい日本は政治の骨格骨体がバランスしないで維持はできない。 そのつど選挙ばかりしてもまさに浪費の極みでしかない。 今回の解散で重要法案が審議未了で消えて行く。 ただ地方創生などは急ぎ法案の成立を図るらしい。それはそれでいいのだが、安倍政権の次なる骨太に位置づけされたこの鳴り物入りの法案がこのどさくさにどれほどの深堀されたのか疑わしい。 この人の落ち着きのないせっかちさはこういう時にはそぐわない。ほんとうに官僚たちが地方の実情を精査して統合的な政策を作れているかを判断するのは政治家の仕事なのだ。 こんな騒々しい政治経済環境の中でじっくりとしっかりと成案を得ているのか。 そしてまたこんな解散騒動の中で十分な時間も取らずに法案として世に出すのか。 じつに安易であるとしか言いようがない。 今回経済指標が政治に反映されて政治が解散を促したとすればこれはこれで一つの民主社会の日本の政治レベルの進化過程の位置づけを示すものであるが、どうも安倍政権の今回の解散はあるべき政治の問うことからではなく、恣意的な政権延命のためのものとも見えなくはない。 それでは本質的な問題解決には程遠いのだ。 安倍政権としての次なる理念が見えない危惧を抱くのだ。 単なる今までの安倍政権の追認のためだけでは国民に判断を丸投げすることになりかねない。 もちろん一方の諸野党の余りにも無残な体たらくは論外であるが、そういう機略奇襲のやり方は本来的には堂々たる政権の、それも圧倒的に力を得させて貰っている政権の取るべき相撲ではないのである。 いわば目くらまし、けたぐり、張り手などの横綱相撲でない。 本来はつよい横綱は寄り切りである。 たぶん今回の選挙では前の選挙での自民に与えすぎたあぶく銭議員の無駄な贅肉はそぎ落とされる議員数はむしろ減る方がいい。 もともと仕事をしていない神輿にぶら下がっているサラリーマン議員だ。 政治はもっともっと体脂肪を絞り込むことだ。 その意味でも日本の弛んだジャンルである。最低 50-60 は減って当然で、本来はその分は野党というよりは定数の削減であるべき余り者である。 減って当然の政治の無為無策が原因である。 こういうこともすでに改革していない政治の大いなる怠慢なのだ。