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著者の表現を借りれば、
タンポポの綿毛のように舞い降りて。。。
私の手元にやってまいりました。
ご縁があったので読み始めて、数ページ。
「この作者は、なんてきれいな日本語を使うのだろう!」というのが、
大きな印象でした。
内容を追っていくのも目的ではあれ、私にとっては、少しづつ、
彼のかもし出す、文章の心地よさに体を預けていった、
そんな感覚で読み進みました。
幕末の悲恋を軸に、英国人から見た当時の日本なども表現されていますが、
私のように、自分の生まれ育った国から、出てきてしまっているがゆえに、
改めて思い入れが起こる、日本の良さが、すんなりと入ってきます。
新しいもの、すべてが悪いわけでも、
古いもの、すべてが良かったわけでもないにしろ、
忘れてしまってはいけない、日本人の培った大事なもの、とは、
折に触れ、向き合ったほうが良いのだと思います。
国からの役割を背負い、日本へ漂ってきた英国人、エバンズ。
(エヴァンズで統一されているのですが、ユキが発音する時だけ、
エバンズとなる所が、なんとも細かな配慮で素敵です)
その彼に日本語を教える、訳ありの女性、ユキ。
ユキを思い浮かべると「品」という漢字が浮かんできます。
上品でも、下品でもない、彼女という人格を支える尊厳、
日本人が、大切に、憧れを持って、伝えてきた価値、
そんな「本当のもの」を感じ入ります。
作中に音楽が、ヴァイオリンという形で入り込むのですが、
バッハ 無伴奏パルティータ第三番 プレリュード
http://www.youtube.com/watch?v=oWkcszow5gI&feature=related
ちょっと調べてみましたら、すばらしいお嬢さんが演奏されていたので、
リンク張っておきます。
もう一つ。
バッハ 無伴奏パルティータ第二番 アルマンド
http://www.youtube.com/watch?feature=endscreen&NR=1&v=bIXLZrbqJh0
上のお嬢さんとは違うのですが、こちらも、大事な場面で使われております。
ついでなので、私のもっとも好きなクラッシック曲。
バッハ小フーガト短調
http://www.youtube.com/watch?v=xzXroGJZC1k
偶然に手にしたCDが、この方 Helmut Walcha のものでした。
極上の出来栄えに感激\(*^o^*)/
弱った時のエネルギー補給に使っております。
さてさて、話がそれていきましたが、
良い文章とは、音楽のように、奏でるようにして、人の心に入り込むものです。
きれいな音を意識して、書かれておられるであろう、著者の持ち味は、
今一度、美しい日本語に触れる、絶好の機会として、
私たちに役立ってくださるものと、思います。
作中に出てくる、美しい日本語は、
久々に出会えた旧友のように、私の心を打ち続けます。
「静謐(せいひつ)」なんて、いつからお目にかかっていないでしょう。
高校の時に「貧すれど貪せず(ひんすれどどんせず)」という言葉を習ったことまで、
湧き上がってきました。
読み終えたときは、感動した映画を観た後のように、
体全体を震わす、暖かな快感に、満ちておりました。
日本語は、なんて美しい言葉なんでしょう。
こういう美しい日本語を、読んで理解できる環境に生まれ育った、
自分の人生が、誇らしく思える瞬間です。
最後に一つ、作中に最後まで出てこなかったのですが、
本のカバーの外側下方に、「帯」と呼ばれる、細長いくくりがあって、
そこに、本の内容などが盛り込まれるのですが、
背表紙の言葉が 「馥郁たる香りの傑作歴史ロマン」 とありました。
馥郁(ふくいく)たる香り。。。
もう、じーんと、時のかなたへ舞い上がりそうな、至福の一瞬でした(笑)
この言葉を帯に使おうと、決めたお方の歓びまで伝わってきそうです。
日本に居る時よりも、日本語に触れる機会が少ないゆえの、
大きな感動を差し引いても、
ぜひぜひ、たくさんの人に味わっていただきたい「日本語」で、あります。
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