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2003/01/20
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カテゴリ: カテゴリ未分類
1月17日に続き、8年前の地震のお話。

大阪は震度4で、翌日からは仕事も学校も平常に戻ったところがほとんど。
しかし、比較的被害が少なくてすんだ大阪でも、震災の余波はあった。
食料が・・・・・ない。

全くない、というわけではないんだけど。
行き付けのスーパーは、本社が兵庫県で、仕入れルートも北大阪経由で入ってくるものが多かったのではないかと思うが、生鮮関係がとても品薄。特に魚は明石の浜でその日の朝上がったものを置いていたりしてたので品目がかなり限られる。
大阪はガスも電気も大丈夫で、煮炊きもOKなのに。

あとは当然だが、ラーメンやレトルトのインスタント食品。ミネラルウォーター。
ちょこっと入荷しても、すぐに売り切れ。


そして、意外だったのは、パンの棚が空っぽなこと。
あとで聞いたら、パンは、作ったそばから救援物資として神戸方面へ優先的に送られていたので、一般に流通する分まで手が回らなかったようだ。
物資の輸送って、今ではトラックが多いから、道路もズタズタになってるこの時期、物があっても運べないということもあったかも。

それで、職場の近くのスーパーをのぞいてみた。
・・・・・いつもと変わりないじゃん。
ここは南大阪なので、仕入れルートも奈良経由とか、多少の遅れはあっても品薄というほどではない。
問題のパンも、市内に大手製パンメーカーの工場があるし、テナントでもパン屋さんが入っているから、全然問題なし。
インスタント食品系は、やや品揃えに偏りがあったけど・・・・・。

そこで、当分、食料の買い出しは仕事帰りに、職場の近くですませることに決定。
何日かおきに大きな袋を抱えて帰る私に、後輩のキヨちゃんが「どーしたんですかぁ~そんなに大量に買いこんで~」。
「家の近所だとね、パンとか、全然売ってないんよ。それでここで調達するんよ」


・・・・・貴様はマリー・アントワネットか(怒)
そういう問題じゃなかろうが。
私はね、家族を食べさせていかなきゃいけないの。
アンタみたいなお気楽独身貴族とは違うのよっっ。
そう言いたいのを、何とか我慢した。


震災関連の報道ばかりの中で、画面にアップになったのは、日赤病院の薬剤師さん。
「医薬品は、結構あちこちから集まってくるんですが、それをさばける薬剤師がいないんです」というコメント。

緊急時・災害時の医療というと、医師や看護師が混乱の中で、食事も睡眠も十分にとらずに献身的に診療活動する姿がまず浮かぶ。
他のコ・メディカル(医師以外の医療職)は、こういうところでは何の役にも立たないと思われがち。
薬についても、医師や看護師がある程度知識持ってるから、災害医療に薬剤師はいらないと、私も思っていた。

医師や看護師が薬のことをある程度知っていると言っても、それは、通常の業務で自分がよく使う範囲でのこと。
特に医師は、効き目などの薬理学的なことは当然よく知っているが、どんな剤形で、どんな色をしていて、何に注意して飲むかという薬剤学的なことはあまり関心がないのか知らないことが多い。
通常勤務する医療機関では、自分の使いたい薬を指名して、それが間違いなく納品されるのだから、使う時も問題ない。

しかし、災害時の救援物資に、そんな贅沢は言えない。
あるものの中から、使えるものを探し出さなければならない。
そういう時は、薬剤師の出番である。
薬剤師は、自分の施設が通常扱う薬以外にも、患者さんが持ち込んでくる他施設の薬の鑑別などで、かなりいろんな種類の薬剤の現物を知っている。
同種同効の薬を探す、なんてのも朝飯前(滝汗)である。

薬剤師免許を持っている人でも、私達より少し上の世代(40代後半~50代)の人は、「男は仕事・女は家庭」という中で生きてきた世代なので、女性は結婚後、完全に家庭に入り、薬剤師免許は「嫁入り道具」のひとつになっているという人の割合が多い。
そういう人達から「薬剤師のボランティアをやりたい」という問い合わせは、結構きているらしいのだ。

しかし、医学・薬学の知識は生き物、なまものと同じ。
何年もずっと家庭の主婦だけをやってきた人に、それも、あれも足りないこれも足りないという混乱した現場でそれ相応の仕事ができるとは考えにくい。
「昔取った杵柄」で、多少のトレーニングを施せばすぐにカンを取り戻してモノになる人も中にはいるだろうが、この混乱状態の中、ボランティアを一からトレーニングして現地に送り出している余裕はない。
あくまでも、今求められているのは即戦力なのだ。

うちの系列病院が、神戸市垂水区にある。
ここは、建物の一部に亀裂ができた程度で、電気だけは通っているので通常の診療だけはどうにかこうにかできているらしいが、次々に運び込まれてくる患者さんの対応におおわらわで、その上地元の巡回診療にも出ているという。
毎日、関西の他の系列病院から、食品に薬品・衛生材料を救急車で送り、帰りには現地で対応しきれない症状の患者さんを乗せて帰ってきて入院させる、ということを繰り返していた。

当時のうちの副院長が、こういう、切った張ったの修羅場が大好き(やりがいがあるという意味)な人だった。
外来患者さんも途切れた昼過ぎ、待合のテレビで震災関連のニュースを見ていた副院長が振り向いて言った。
「おい、蘭ちゃん、神戸病院(うちの系列)の応援部隊、薬剤師が足らんらしいのや。1日だけでも行ってみいへんか?」
「いいですよ。2日でも3日でも、休み取ってボランティアですね」

それを聞いた当時の上司(薬局責任者)が慌てる。
「・・・・・そういうのは、仕事として行くもんや。ボランティアなんて言うたらアカン」
自分達にもボランティア要請がくるのが、嫌だったのかも知れない。
こいつ、この非常時にまで自己保身かいな。
今でもそうだが、とことん軽蔑すべき人種である。

そうこうしているうちに、法人の震災対策本部?にまでこの話が伝わり、震災発生から1週間後の1月24日、朝から救急車で食料や医薬品と共に現地に入り、夜に翌日の準備のため大阪に戻る便の救急車で帰る、日帰り応援が決まった。
安全対策などの関係もあってか、休みを取ってのボランティアではなく、日帰り出張扱いの「仕事」として行くことになった。

即戦力、か。
やりまっせ(^^)

(to be continued)





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Last updated  2003/02/18 11:38:14 AM
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