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茶色の朝
2月11日、建国記念の日に反対する集会で、高橋哲哉さんの講演を聴くことが出来ました。
本物の高橋氏が2時間近く話して下さったのですが、それがあっという間の時間に感じられるほど、魅力的な講演でした。実は私は高橋さんの大ファンなのです。
講師の人気というだけではなく、憲法9条を守りぬこうとする人たちの意思表示という側面もあり、大盛況でした。
会場備え付けの座席では全然足りなくて、折りたたみ椅子がたくさん出されていましたし、資料も当然足りなくて、男性が何度も何度もコピーを取りに走っておられました。
高橋さんが用意された資料はB4-11ページ。何十部も印刷するのだからそれは大変。
おまけにどこか遠いところでコピーしてくるようだし、帰ってくると、また人がどんどん増えて、増刷増刷。
本当に、息せき切って走っておられました。持った用紙が後ろに飛んで行くみたいに。
その時購入したのが、 『茶色の朝』
という本です。高橋さんの本は結構読んでいるのですが、これは、フランク・パヴロフという人が書いた短い物語です。高橋哲哉さんは、本文よりも長いメッセージを書いておられるのです。
この本の存在は聞いたことがありましたが、読んでいなかったので、実は高橋さんのサインを頂くために買ったのです。私の中にそんなミーハー気分を見つけたのも新鮮でしたが、このタイミングでこの本に巡り会えたことが偶然とは思えないほど、本の内容に感動しました。
この日本語版が発行されたのは、2003年12月8日、自衛隊のイラク派兵前夜です。
これは直接戦争をとりあげてはいませんが、普通の国の普通の市民たちが、日常生活の全てを国家によって支配されるまでの気持ちが、淡々と表現されています。
茶色のペットだけが飼うことを許される。もっともらしい理由がつけられているものの、毛色が茶色でないというだけで安楽死させるなんて酷い。しかし、そういうことを批判する新聞は発行停止になり、茶色新聞だけになる。何もかも茶色になっていくことに、自分を慣らしていく主人公たちの意識のありようを、高橋さんが分析しています。
最後に、朝までもが茶色に染まって破局を迎えます。
読まれた方が多い本ですので、内容はこれくらいにします。
ひとつ、「茶色のパスティス」というのがあって分からなかったのですが、これは甘く強烈なフランスのお酒だそうです。やみつきになるようなものらしいです。
我が家の犬はかろうじて茶色で通りそうですが、9匹の猫の内セーフは一匹だけ。三毛はダメだろうし、あとは白、黒、白黒。
野鳥は、スズメ、モズ、カモ類は雌だけ…
花はほとんどダメ。
…なんてくだらないことを考えてしまいます。
違和感があっても、自分だけ違うことを主張するより、合わせていったほうが楽。
これくらいは我慢できると思って合わせていくと、次から次に要求が拡大していく。
どこで、立ち止まり、合わせることをやめるか。
高橋哲哉さんは、私たちに考え続けようと呼びかけます。
「勇気を持って発言し、行動することは、考えつづけることのうえにたってのみ可能なのです。(茶色の朝、高橋氏のメッセージより引用)」と締めくくっておられます。
ついつい弱気になる私を、優しく励ましてくださる言葉です。