梅雨のまにまに 生駒のふもと
夜光虫のような 街の 灯り
荷物の整理に 忘れていた 一葉の 面影。
こんな夜は 上田敏 訳の 海潮音が 読みたくなる。
山のあなたの空遠く 「幸(さいはひ)」 住むと人のいふ。
少女の頃、 このフレーズにどれほど心を奪われたろうか。
ちまちまと集めたカップの中から 今夜は少々金彩を施したアンティークのものを選び
ロッキングチェアに揺られながら 海潮音を読む。 

このボォドレェルも良い。 冒頭の部分だけ、ご紹介。
「 人と海 」
こころ自由(まま)なる人間は、とはに誉(め)づらむ大海を。
海こそ人の鏡なれ。
灘の大波はてしなく、水や天(そら)なるゆらゆらは、うつし心の姿にて、
底ひも知らぬ深海の 潮の苦味も世といづれ。

PR
キーワードサーチ
カレンダー
コメント新着
フリーページ