連波のさざなみ

連波のさざなみ

2010/07/12
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カテゴリ: しょせき



ヒット呼び込む”現場の熱意”

テリー・ケイさんの『白い犬とワルツを』、道尾秀介さんの『向日葵の咲かない夏』など、書店の手書きPOP(販売促進広告)がヒットの火付け役になるケースが増えている。

直木賞作家、朱川湊人さんの『かたみの歌』も、POPをきっかけに1カ月で4回の増刷、追加7万部を発行した「書店発ベストセラー」。

その裏側には、本の仕事をめぐる人の「思い」があった。


作品の舞台は東京の下町。

古本に挟んだしおりに思いを込めた恋が数十年の時を越えて展開する「栞の恋」など、昭和の「かたみ」が現代に起こす奇跡を描いた連続短編集だ。

文庫は2年前の発売以来、初版部数のまま推移していたが、今年2月、仙台市の丸善仙台アエル店に「泣きじゃくりました。何度も、何度も。」などと書いたPOPを設置したところ、評判を呼んだ。


POPを書いたのは新潮社営業部の河井嘉史さん(30)。

入社1年目のころ、『小説新潮』編集部で作品の連載を担当していた。




増刷に当たっては帯に「涙腺崩壊。」とのコピーをつけ、「湊かなえの後は朱川湊人」と、ベストセラー作家の名前と語呂を合わせたPRファクスを書店に流すなど工夫を徹底。

2刷の増刷が決まった5月中旬、河井さんは「うわさ」を聞きつけた朱川さんから連絡を受けたといい、「とても喜んでくれて、本当に良かった」と感謝をにじませる。


「書店発ベストセラー」の仕掛けも定着してきたが、ヒットを呼び込む原動力は、工夫に加えて”現場の熱意”にあるかもしれない。



(産経新聞・話題の本 三品高志)





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Last updated  2010/07/13 01:43:18 AM
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