Rheumatic diary

Rheumatic diary

2008.01.10
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カテゴリ: 映画がらみ


 『ランブルフィッシュ』はわたくしのミッキー映画ナンバーワンです。制作は1983年となってますんで、わたしが観たのは翌年あたりでしょうか。当時のわたしは、自宅から電車で30分の街にある縫製会社でミシン踏みをしていた暗黒時代(笑)で、うだつの上がらない毎日にムシャクシャしていたころでした。会社は連日残業、ヘタすりゃ日曜出勤ありだ。そんな状態での気晴らしといえば、時間見つけて映画館へ足を運ぶくらい。

 最初は、ミッキー・ロークなどまったく知らなかったんです。お目当ては、主演のマット・ディロンのほうでして。ディロンは当時アイドルだったので、映画僻地に在住してたわたくしも、雑誌で存在を知っており、なんとも男っぷりの良い体格(当時はそう思ったが、いまやジェリーに勝るヤツは見あたらない)にホレました、ははは。ところが、ディロン見たさで出かけた宇都宮の映画館だったのに、行きと帰りで、萌えの対象が一変いたしました。はい、ミッキーにやられたです。

 なんと言えばいいんでしょう、魅せられちゃった理由…。
 ミッキーの役は“モーターサイクルボーイ”と呼ばれ、街の不良グループのリーダー。しかし、2カ月前に行方知れずになっていた。その弟(←ディロン)は兄貴に憧れ粋がってケンカふっかけたり毒づいたりしてるんですが、兄貴のようには行かず。そんなところへ兄が帰ってきた。なぜ兄は家を出ていたのか? どうやら母親をテレビ番組で見かけたらしく、母に会いにカリフォルニアまで行っていた、と。母は、兄が6歳・弟2歳の時に家出をし、それが元でオヤジは飲んだくれのアル中弁護士に成り下がり…こういう背景を持つ男に、わたくしはなぜかメチャ弱いのであります。クールすぎるというか無力感というか掴み所がないというか(この役どころ、ミッキーしか似合わないって)。

 ミッキーのセリフに「おれは、5歳の時、子供でいることをやめたんだ」という件があります。弟は「兄貴は年よりずっと老けて見える」とも言っている。それはどういうわけなのか? おそらく色盲であり聞こえも悪いという事情も原因のひとつでしょう。加えて家庭事情もものすごく重苦しい。5歳で子供をやめた後は、気の赴くままワルがってきたけども、それさえ無意味に思えるようになって、ただただ空虚さに身をゆだねるしかなくなったわけだ。オヤジは弟に「兄のようにはなるな」と言い、兄には「目的さえ見つけられたら…」と半ばあきらめた物言いで、暗く、希望もへったくれもないムード。これらを、コッポラ監督はモノクロ映像の中で表現しているようでした。ただひとつ、兄はペットショップの動物や魚(闘魚←これだけ赤と青の色つき)たちを、開放してやろうという願望はあったのだが…ラストシーンはハリウッド映画には珍しくアンハッピーエンド。

 いまの時代、空虚に生きてる若者は世の中たくさんいると思います。そういった傾向は「そういう年頃」で終止符を打てるならばイイのですが、ミッキー兄の場合は筋金入りの空虚(←は?)というのは、天才スジの頭脳を持ちながら、正当に活かせない苦しみと脱力でありましょうか。凡人には到達できない空しさか(笑) いや、そんな境地に到達したかぁないってね。もしミッキー兄に、たったひとりでも味方(まともな父か母)がいたなら…そう痛感せずにはいられませんでした。結局だれからも受け容れられないまま、不意に逝くことになってしまった←この結末、兄は予期して(or 願って)たのかも知れない。…という余韻があるので、後味は悪くないんですが。こんな哀しくもかっこいいヒーローがぴったんこのミッキー、まさかの今 怪物 だわ、ほんまに(笑)

兄(右)と弟(左)





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最終更新日  2008.01.10 16:48:24
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