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ロイミュードの事件が終わってから 1 年ほど経った。
僕たちのいた特上課は解散されて、今までの仲間もお互い元の生活に戻っていった。
ロイミュードたちがいなくなって世界は一旦落ち着いた。
いや落ち着いたように見えただけだったらしい。
これから記載する話は僕たち特状課が関わった。最後の事件である。
願わくばこんなことが二度と起こらず。
戦士達が安らげる日々が来たのだということを信じたい。
西城究
泊進ノ介が聞き込み調査から署に戻ってきたのは 15:00 を回った所だった。
ロイミュードの事件を解決してから 1 年ほどが経過した。たが必ずしも、世界が平和になった訳ではなかった。
進ノ介は今日も刑事課の一人として多忙な日々を送っていた。
「お疲れさん、進ノ介」
追田現八郎、通称 ” 現さん ” が進ノ介に労いの言葉をかけたのはそんな彼を労ってのことかもしれない。
「例の宝石強盗事件だっけか?」
「ええ、都内にある宝石商の邸宅が次々と襲われています。犯人は行方をくらませています。」
「そして犯人は霧みたいに消えていくってのか…」
どんなトリックを使ったんですかね、と嘆息しながら関係図の書いてあるホワイトボードに向き合う進ノ介は 1 年前と全く変わっていない。ただ悪を追い詰め、罪なき人を助けるということを念頭に動いている。
「もう一度被害者の関係先を洗ってみます。もしかしたら何か出てくるかもしれない」
すると現八は静かに首を振って、止めとけという意識を表した。
曰く、数時間前に自分達が行っても何も収穫はなかったのだと。
「とにかく根を詰めすぎた進ノ介、それよりも嬢ちゃんの所にでも行って、一回リフレッシュしてこい」
関係ないでしょ!と顔を真っ赤にした進之介は足早に走り出した。
照れ隠しの意味もあったが、じっとして居られなかったのだ。
「で、ここに来たんですね…泊さん…」
詩島霧子がこう言ったのも無理はない。今日は、というより毎日部署が違う進之介と 1 日 5 回は遭遇するのだ。
お陰で同僚から「通い婚か」と冷やかされたのも記憶に新しい。
「特状課にいた頃は確かに泊さんを見つけてましたけど、そんなに頻繁だと追田警部補に叱られません?」
「現さんは今、警部だ…それに…」
けしかけたのは現さんだ!という言葉を進之介はなんとか飲み込んだ。何か気恥ずかしさのようなものが勝ったためである。
「この後また聞き込みに行ってくるよ。どうも引っかかることが多すぎる。今日は帰れないかもしれない…」
「そうですか……でも明後日は開けておいてくださいね」
なにかあったのか?ととぼけたような顔をする進ノ介に、霧子の顔が信じられないと歪められた。
「付き合って 1 周年をもうお忘れなんですか!泊刑事!」
怒りに赤くなる顔を見て、しまったと今度は進ノ介が頭を抱える番だった。
「悪い…霧子、最近忙しくてつい忘れてた」
「そうですか……全く…剛が明後日帰ってくるみたいで、お祝いしてくれるみたいですから。絶対開けておいてくださいね」
久しぶりに帰ってくる剛の目的を思い出しながらゆっくりと進ノ介は立ち上がり霧子の頭を撫でた。
「心配すんな、姉ちゃんのことは大切にしてるって胸張って剛には言えるからさ」
調子のいいことばっかり!という霧子の叫びをバックに進ノ介は再び街へと聞き込みに出ていった。
強盗の被害に遭った宝石商に足を伸ばした進ノ介だったが得られた収穫はほとんど見当たらなかった。しかし手がかりとして新しく浮かんで来たのは最近襲われた宝石商が言った盗まれた宝石の種類だった。なぜかダイヤばかり盗まれたというのであった。価格の決して高くないダイヤモンドでも根こそぎ奪っていくということであった。
「これは金品目当てじゃない気がするな…ゲンさんに報告しとかないと…」
独りごちで進ノ介は宝石商を後にした。警視庁に戻ろうとパトカーのドアに手をかけた瞬間であった。
「なんで!?」
突如身体が重く動かなくなる。進ノ介はその感覚に覚えがあった。
「どんより……いや重加速と呼ぶべきか!」
何年も全人類を苦しめていた重加速の最前線で進ノ介は、厳密に言えば進ノ介と彼の相棒は ” 仮面ライダードライブ ” として戦っていた。しかし今相棒は研究が悪用されぬよう特状課の地下で眠っている。進ノ介は何故重加速が起きたのか検討がつかなかった。
「もうあいつらはいない筈だ!俺の友達で最後だった!」
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