おすすめ温泉宿

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2008.04.22
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カテゴリ: 温泉
天声人語の書き出し&結語【名文集】

『野の食卓』

東京の近郊ではハナズオウが深い紅色の花を咲かせている。二輪草が咲き、イカリソウが咲き、山吹草がつぼみをふくらませている。コブシもレンギョウも、花から緑へ移りつつある。

蕪村に「けふのみの春をあるひて仕舞けり」という句がある。今日のみの春とは何だろう。しろうと流の勝手な解釈だが、桜の咲くころ、よく晴れて、気温が上がって、春の心が天地に満ちる日がある。春たけなわ、春の頂上は今日でおしまいだと思う名残の日を「今日のみの春」と感じとるのだろうか。そんな日は、しぜんに足が動きだす。数日前、二〇度を超す陽気につられて、午後、小仏峠から高尾山のあたりを歩いて、山桜を見た…

歩くこと、風に化すことの極意を、この文章は簡潔に表現している。高尾山の薬王院(やくおういん)に着いたときは日が暮れて山桜はやみにとけ込んでいた。「春を歩いてしまいけり」の一日だった。


【掲載年月日】1987/4/12





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Last updated  2008.04.23 00:27:35


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