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2008.06.19
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カテゴリ: 温泉
天声人語の書き出し&結語【名文集】

『七夕』

きょうは七夕だ。牽牛(けんぎゅう)と織女(しょくじょ)、つまりひこ星とひめ星が年に1度の出あいをする日だと伝えられている。しかしこの星あいは、じつは旧暦七月七日の話で、新暦では八月下旬にあたる。俳句でも七夕は秋の季語である。イモの葉に露のたまらぬころの七夕では、どうしても季節感がうすい。

東京の夜道を歩いていると、濃い闇(やみ)の中からクチナシがにおってくる。近所の寺の境内には二メートル近いクチナシがあり、一つの花が散ると一つの花が咲き立つという状態を続けている。しろじろと咲く花のわきに、無数の堅いつぼみがあり、そのすぐ下にはしおれた花びらが残っている。

一本の木が短い花の生涯を語りきかせてくれているようで、何十光年、何億光年という星の話に比べると、こちらはいかにもはかない感じである。


【掲載年月日】1977/07/07





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Last updated  2008.06.19 23:57:24


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