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2008.05.26
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  目覚めると 

  草の匂いに咽せるような 不機嫌さで

  朝の空気は カーテンを揺らしながら

  頭から 胸元を通り 流れ去ってゆく


  涙が零れた


***************************************************



訃報を聞いた。

いくつも




記憶が遡り 辛くなった。



まるで 正夢のように

現実が 夢の中から 溢れだした日のこと。


*****************************************************


詩を読む。



  記憶はどこからやってくるのか…



  中原中也に訊いてみた。  


   ~汚れちまった悲しみに~

    汚れちまった悲しみに

    今日も小雪の降りかかる



    今日も風さえ吹きすぎる


    汚れちまった悲しみは

    たとえば狐の革ごろも

    汚れちまった悲しみは

    小雪のかかってちぢこまる




    なにのぞむなくねがうなく

    汚れちまった悲しみは

    倦怠のうちに死を夢む


    汚れちまった悲しみに

    いたいたしくも怖気づき

    汚れちまった悲しみに

    なすところもなく日は暮れる…




  立原道造に訊いてみた。


    ~夢見たものは~  (優しき歌2より)


     夢見たものは ひとつの幸福

     ねがったものは ひとつの愛

     山なみのあちらにも しずかな村がある

     明るい日曜日の 青い空がある


     日傘をさした 田舎の娘らが

     着かざって 唄をうたっている

     大きなまるい輪をかいて

     田舎の娘らが 踊りをおどっている


     告げて うたっているのは

     青い翼の一羽の 小鳥

     低い枝で うたっている


     夢みたものは ひとつの愛

     ねがったものは ひとつの幸福

     それらはすべてここに ある と


************************************************************


中原中也は30歳、立原道造は26歳という若さで亡くなった短命の詩人たち。

わたしが彼らの詩を読むのは、こんな眠れぬ夜が多い。

様々な出来事を反芻する脳が疲れたとき、自然と求めるのだと思う。

出来事と向き合うことは、自分自身と向き合うこと…

脳裏に浮かぶ情景と言動は、時折わたしの口を動かし挙動不審を導く。

それは人目に晒すことはないが、わたしはしっかりと覚えている。

心は流れて、感情は起伏し、記憶の中に刻まれる。

だから

もうひとりのわたしを呼び覚まし

傷ついた心をその言葉に投影する。


そうしてわたしは感傷を癒すのだろう。






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Last updated  2008.05.27 01:49:25コメント(0) | コメントを書く
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