PR
キーワードサーチ
カレンダー
コメント新着
フリーページ
今日は休日出勤
夜勤者の申し送りの最中「お願いしまーす!」ヘルパーさんのただならぬ声。酸素とモニター心電図管理になっている患者さんの病室に駆けつけると、眠るように呼吸停止したところだった。
その患者さんは、明治40年7月生まれの99歳。身よりは居なかった。
明治、大正、昭和、平成と激動の人生を生きたであろう彼女は、つい10日前までは終始穏やかで、歩行器を押してはマイペースに過ごされていた。
無口な方で、2年間ついぞ怒った顔も笑った顔も見ることは無かったが、薄化粧をするとなぜか笑顔に見えた。遺品に愛用の大学ノートがあって、「かりんさん」と鉛筆で書かれていた。
「あ!私が名前を教えたときの!」と介護福祉士の可林さん、うるうる。
お迎えの車が来るまで、本人の作った「折り鶴」と未完成の「塗り絵」を抱かせてあげた。
今日は彼岸のお中日。あちらに逝く人と、つかの間此方に来る人と。
鰯雲人に告ぐべきことならず 加藤楸邨
