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都心から遠く離れている我が町でも、公園以外に空き地は殆ど無くなってしまった。近所で「お隣が3階になったために日が当たらず生活が出来ない!」と、引っ越して行ったご家族がおられた。
その後、その家のうしろ(南側)が空き家になって更地となり、日がさんさんと当たるようになった。すると引っ越した跡地に新しい家が建ち新しい家族が太陽を浴びていた。それが一年もたたないと言うのに、南側の更地に三階建ての家が建設中。つまり日が当たっていた家がすっかり囲われて日陰になってしまったのである。
久しぶりに町内を歩いてみれば、時々見掛けた一人暮らしの方の家が壊されて、知らぬ間にマンションが立ち並んでいる。するとその周りは日陰になっていて、日陰が日陰を呼んでいる。もう日照権などで争っても建つものは建つのだから、そこそこは「お互い様」となっているようだ。住宅街で駅に近く便利だけれど、日当たりを選ぶか便利さを選ぶかといったところ。
線路沿いが通勤路となっていて、住宅地側の道路とを挟んだ間に「三角畑」がある。この辺り一帯の大地主さんの持ち物のようだけれど、金網で囲われて此処だけは太陽がいっぱい!二畝ほどの大根が青々としていて見事に手入れが出来ている。我が町もどんどん変わってしまうのだけれど、この「三角畑」だけは変わず季節の野菜の姿を見せてくれるから、時折この畑の柵の回りをひと周りしては楽しんでいる。大切な土の香りと、太陽と。
青空の欲しと青首大根なる 武田克子(ザ・俳句歳時記)所収
