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80分間、溜め息ばかりが聞こえてきていたアンフィールドだが、その雰囲気をカイトが払拭する。ペナントとフィナンで崩した右サイドからクラウチを越え、カイトにボールが渡る。彼は迷いなく右足を振り抜いた。マイコンに少し当たったもののボールはゴールネットを揺らした。待望のゴールにKOPは大熱狂。“守備的FW”という聞き慣れない言葉がカイトには与えられている。この言葉は良い方に理解すれば、前線から守備をするチーム貢献型のFWということだ。しかし、今シーズンのカイトは昨シーズンの輝きを放っておらず、ゴールもコンスタントに奪うことができていない。こういった背景から、皮肉を交えて妙な言葉が作られたとも言われている。今シーズンの彼はコンディション調整に苦しんでいる。最愛の父が亡くなったからだ。メンタル面では相当辛い状況にあるだろう。だが、毎試合誰よりも走る姿を見てKOP達は“守備的FW”の意味を前者だと理解していることは間違いない。僕もその一人だ。遠く日本から「KUYT」のユニフォームを着て応援した甲斐があった。この日は僕の誕生日。カイトにゴールという最高のプレゼントをもらった。ありがとう!!カイト!!
試合はカイトのゴールで勢いが出たのか終了間際にキャプテン、ジェラードが素晴らしいミドルを叩き込み、2-0でインテルを粉砕した。前半の早い時間帯から10人(マテラッツィ退場)での戦いを強いられたインテルはドローで終えたかっただろうが、アンフィールドはそんなに甘くはなかった。この結果、リバプールは2点のアドバンテージを持ち、サンシーロでの一戦に臨むことができる。セリエで無敵の力を誇るインテルだけに油断は禁物だが、普段通りの堅いサッカーをすれば次のステージに立てることは間違いないだろう。第二戦が楽しみである。
アーセナルはミランにスコアレスドロー。予想通りミランは経験で勝っており、攻められながらもドローに持ち込むことに成功した。現在欧州において一番魅力的なフットボールを展開していると言われるアーセナルだが、勝利を収めることはできなかった。こちらもサンシーロでの一戦が大一番となる。そして、ローマはレアルに競り勝った。レアルは負けたとはいえ、アウェーゴールを奪えたことは非常に心強いだろう。サンチャゴで落ち着いた試合運びに持ち込めれば逆転でのベスト8進出に大きく近づくことになるに違いない。僕はレアルが勝ち進むと思っています。
その他も興味深い試合が数多くあったが、今夜はこれぐらいで許してもらいたい。何しろ今帰って来たもので…サラリーマンは厳しいな。おやすみなさい。
「Photos:gettyimages」

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