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August 25, 2012
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カテゴリ: 認知症家族の会

今月も第3火曜日に母がお世話になる病院の認知症外来の家族会があり

出かけてきました。

『 認知症の症状をどう考える 』

~ 徘徊 ・ 不眠 ・ 意欲の低下 ~

大阪市立弘済院附属病院

認知症疾患医療センター

精神内科・神経科 部長 中西亜紀

◆ 認知症の中核症状と周辺症状

    (主にアルツハイマー型認知症を軸に分けられている)

     大きく分けると2つに分けられ

    1. 中核症状(記憶障害、認知障害、人格変化)

        ● 程度のさはあれ、すべての患者にみられる。

        ● 疾患の進行とともに悪化する。

    2.  周辺症状BPSD(神経症状、行動障害など)<問題行動といわれていた>

        ● みられない患者もいる

        ● 疾患の重症度(進行)と比例しない。

 ◆ BPSD とは? <周辺症状>

    定義 : 「認知症患者にしばしば出現する知覚や思考内容、気分あるいは 

                行動の障害」

    分類 : ● 抑うつ、不安、緊張、焦燥、妄想、幻覚

             ⇒ 心理症状<感情面>(面接によって評価)

             ● 落着きのなさ、暴言、暴力、徘徊、不適切な行動

             ⇒ 行動症状<行動面>(観察によって評価)

◆ 認知症に伴う心理面や行動の障害 <BPSD>

     ● 中等度から高度の認知症に生じやすい

     ● 症状の誘因となるのは

        身体不調 ⇒ 脱水、便秘、軽度心不全など

        入浴や更衣の介助、夕方から夜にかけての夕暮れ症候群

        環境不適応 ⇒ 環境になじめない。

     ● 不適切な対応がBPSDとして現れる

        「だめ」と言う注意、禁止、否定、苛立ち口調、早口など。

     ● 対応法の検討 : 医療の必要性、利用方法、ケアプランの検討。

  ◆ 徘徊について

    徘徊とは、一般的にはどこともなく歩き回ることやぶらぶらしていることを

    示すと言われ認知症では頻度が高く長期間出現するBPSDの一つである。

    アルツハイマー病と全島側頭型認知症の場合似ているが対応が違う。

      ● アルツハイマー病 ⇒ 空間認知障害や記銘力障害と関係してとらえる。

      ● 前頭側頭型認知症 ⇒ 周徊と言い同じパターンを繰り返す。

    ◇ 自分の今いる場所が違うように思い 「帰ろう」とする場合

    ◇ 誰かを・何かを探しに行く場合

    ◇ 何かをしようとして途中で目的が分からなくなる場合

    ◇ 不安や焦燥の為にじっとしていられなくなる場合

 色んな場合が考えられるが頭ごなしに否定したり止めさせようとするのではなく

  本人が安心、納得するように気持ちを切り替えさせてあげる。

  「今日は遅いから明日にしましょう」とか「ごはんを食べてからにしましょう」とか

  「今日はお出かけされているみたいですよ」等と言ってみる。

  その中で子供を探したり、母親を、妻を探したりすることがあっても

  「夫を探す妻はいない」と先生が言われた言葉に会場は爆笑。大笑い

   何だか頷ける フムフム・・・・ウィンク

◆ 予測困難な徘徊については

      GPSをもたせる。 着衣に連絡先を張り付けておく。

      ベッドや玄関等に音の出る道具を用いたりする。

  ◆ 薬物療法

     徘徊を「治す」薬はない。

     鎮静をかけて動きを少なくすることのみを考えるべき。

     ただし、不安・焦燥が強い場合、幻覚、妄想に導かれる場合などは

     抑肝散やフマル酸クエンチアピン、塩酸チアプリドなどの使用。

 ◆ なぜそのような行動をとるのかを考えてみよう。

認知症のBPSDは原因があることが少なくない

     まず、 本人がなぜそのような行動や、発言をするのかを考える

     決して、叱ったり行動を制止しようとしてはいけない。

     本人のしていることが正しいかどうかではなく、

本人が不安に陥り混乱しないよう安心させることが大切 である。

◆ 認知症と意欲の低下

     ● 一般的には、鬱と意欲低下の区別は難しい

     ● アルツハイマー病の初期に多い

     ● 脳血管性認知症に多い

     ● レビー小体型認知症では鬱を伴いやすい

     ● 前頭側頭型認知症では進行ともに活動性が著明に低下する

  ◆ 最後に  考えてみることとして

     ● 何か鎮静がかかる薬剤を用いていないか

     ● 生活パターンに問題はないか

    患者が自分で判断し、問題を解決することは出来ないことであり

    周りが考えないといけない。 

 アルツハイマー型認知症を患い、初期から最盛期を経て今は穏やかに過ごす母の事が

先生のお話を聞きながら辿った道のりを指でなぞるような気持ちになり

「その通り」と心の中で復唱している自分がいた。

決して、反論したり、苛立つ気持ちを投げかけたりせず「すべてを受け入れる」を

頭に置き、まるごと包んであげて欲しいと思いました。

今回も心に響くお話が聞けて良かったです。 






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Last updated  August 25, 2012 04:41:59 PMコメント(0) | コメントを書く
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