Wound Moon

December 10, 2007
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カテゴリ: お題。
05:満月の夜にそっと浮かぶ


また月日が過ぎる。
あの花もようやく花開く。

けれどもお参りに行く勇気は出なかった。

そこへ行ったら湊の死を受け入れてしまう様で、怖かった。


窓越しに見えた満月
それは湊が死んだ夜と同じものだった

それを見て苦しくて
思わずカーテンを閉めた。




貴方は今 どうしてますか

私は苦しくて仕方在りません。

貴方が居ないから
貴方が笑ってくれないから

もう一度、会いたい。

湊―――・・・・?


その時、風が吹いてふわりとカーテンが揺れる。

その隙間から少し見えた影


私は急な衝動に駆られて
カーテンを開けてみた。

「・・・・っ湊!?」


満月の夜空にそっと浮かぶ影

湊かどうかは、分からないけど―――

湊だと信じたい。
また会いに来てくれた。

嬉しくて、涙が零れそうだ・・



遠くて表情すら良く分からない。

人影かどうかも知らない。

だけど、それは笑った、気がした。

笑ってまた、遠退いていく。


・・・・っ湊―――?


その影は、しばらく進むと
何も無いようにその場で消えた。

幻かも知れない。
仮に幻じゃ無かったとしても
湊じゃないかも知れない。

でもあれは、私に勇気をくれたんだ。




あの日咲いた花を持ち、
私は出掛ける用意をする。

今なら、行けそうな気がした。

もう 大丈夫
怖くないと言ったら嘘になる
寂しくないと言ったら嘘になる・・けど――

あそこへ行けば、もう一度貴方に会えるんじゃないかって。

不思議と、そう思えたんだ。



墓場は家の近く。
湊もそこに埋められた。

私は歩いてそこへ向かう。


丁度、信号 交差点

私は急いで向こう側へ渡ろうとした時だった―――



ブレーキの音 

車のノイズ

街の人の声

クラクションが鳴り響き―――


―――ドンッ・・・


鈍い音と共に、
もの凄い激痛が体中を走って行った。


「救急車!!!早く・・呼んで・・!!!」
「大丈夫か!?・・・い・・」

あぁ。声が聞こえる。
だけどどんどん聞こえなくなって

意識が遠のく

折角 貴方にあげようと思った花も

散って、しまって 

血まみれで


・・・・でも――

これで貴方の所へ行けるのなら

悔いは無いよ、それで良いから。



この運命を定めた神様

最初は憎いと思ったけれど

今では・・・少しだけ、感謝します。






ありがとう。



end.....





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最終更新日  December 10, 2007 07:04:31 PM
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