Rock's cafe

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February 1, 2005
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分かりやすいように、こう並べる事にします。

小谷野敦は、ぼくの好きな評論家だ。もちろん好きというのは、その人の意見に全面的に賛同するわけではない。「誰かを心の底から崇拝する時には、本当の自由を得る事ができない。」これは確かスナフキンの言葉だったと思う。既に出た著書はほとんど読んでいるし、新著が出れば必ず読む。これをもって好きと言っていいと思う。「恋愛至上主義」を「もてない男」の立場から喝破した一連の文章はとても気持ちが良かったし、憲法に軍隊を明記することと天皇制廃止を両立する左右にとらわれない立場は新鮮だった(とはいえ、このような合理的な立場が「新鮮」と感じられることは、日本の論壇の貧しさをも意味している)

さて、その小谷野敦の持論の中でぼくが全面賛成できないものの一つ、それが「禁煙ファシズム論」である。その中身については、いちいちここで説明すると長くなるので、下記リンクを参照していただきたい。以下ではそれを見ていただいた前提で意見を述べることとする。

http://mixi.jp/view_bbs.pl?id=182320

まず、小谷野敦の意見の中で同意するのは、タバコを安易に健康の害と結びつけることの風潮が良くない、ということだ。まがい物やインチキな学説が多いし、健康に悪い事は他にいくらでもある。自身の立場から言わせてもらえば、ぼくは生まれてから22年間タバコを吸った事が無いし、これから吸うつもりもないが、それは健康のためではない。あの煙がの(健康への害を別にしても)においがいやで、それが服にもしみるからたまらない(近くで吸われるのは例え友達だとしても不愉快)。だから純粋に「他人への迷惑」という一点でぼくはタバコを嫌悪している。小谷野は、それにたいして、「なら車の害はどうか?」と問う。「車の場合は必要性があるから」と答えると、今度は「なら不必要なドライブを規制する措置がないのはなぜか」、「酒の場合はどうか」と詰め寄る。リンク先では、それに対する答えは載っていないが、ぼくはそれに対する反論は可能であるように思う。

まず、何かが咎められたときに、他にもっと悪い、或いは同等に悪いことがまかり通っているのに、なんでおれだけ怒られなければならないのかという理屈は、子供っぽいなと感じる一方で、法の平等性という立場なら理解できなくもない。しかし「不必要なドライブ」をいざ規制しようとしたときに、その判断基準をどこにおいて、どのように取り締まるかという方法がまず不明確なものにならざるをえないし、それは規制措置として有効なものとなると思えない。基準が明確なものから取り締まるというのは仕方ない、というより当然ではないか。それに車の場合、人身事故を起こせば犯罪を構成し、刑法、民法上いずれも訴訟を起こされるし、その意味で規制はなされている。排気ガスに関して言うと、仮にとなりでえんえんと2時間吸わされた場合ならたまらないだろうが(ちなみに、それがタバコの場合)、一過性のものだからあくまでそこまで迷惑だと思わないというのが本当のところで、タバコとの「差別」というには無理があるように思う。

酒のことに関してぼくの立場は単純だ。ぼくは嫌煙であると共に嫌酒でもあるからだ。近くでタバコを吸われると同じぐらいに酔っ払いも嫌いだ。酒臭いのもいやだし、飲み会で酒を強要するのは昨今最も恥ずべきものだと思っている。だからぼくはどんなに強要されても飲まない。酔っ払えば何をしてもいい的な考えも嫌いだし、本音を語るために酒を飲もうというのも、別に自分は酒を飲まなくても語れるから、そういったノミニケーションは不要だと思っている。会社に入るとそんなんじゃやってけないよ・・・といった類の説教も嫌いで、なら会社に入らず資格を取ろうと今せっせとがんばっているところだ。大学が禁煙を推進するのに、禁酒を推進しないのはおかしいか?おかしい。一刻も早くしていただきたい。ただ少なくともぼくの周りで現在お酒の強要は行われておらず、飲みたい人が勝手に飲んでいるのでそれほど迷惑には思わない(飲み代の分担が自分のところにも来るのが少々痛いには痛いが、それは参加しなければ済むことだ)

タバコの話に戻ろう。小谷野は、あたかも禁煙によってお金持ちやインテリといった類が、低所得層を圧迫しているがごとく論ずる(ついでに言えば、最近小谷野は「愚民」を批判しつつ大衆に媚びようとする傾向がある。良くないと思う。)そもそも小谷野自身が30代半ばで旧帝大の助教授となるようなエリート学者であり、現在も超売れっ子評論家であることは別にしても、少なくとも欧米に比べ平均化社会の日本で、喫煙の問題を階級的な概念に還元しえるかが疑問だ。僕自身の経験から言えば、むしろ中・高・大、と今に至るまで一貫として、禁煙派が喫煙派をバカにし圧迫するのと全く逆のイメージ、タバコを吸って不良ぶっていた人たちが、「おまえらには先公や親に逆らってタバコを吸う勇気も、タバコを吸わないとやってらんないような悩みもないよな」といった視線でタバコを吸おうとしない「まじめ君」たちをバカにしていたように思う。そして小谷野がよく言う「『私をドライブに連れてって』とか言うバカ女」に則した話をすれば、確かに「私はタバコ吸ってる男はいやだ」という女の子がいる一方で、「タバコを吸ってる~くんの姿がカッコイイ」という女の子も確実に多く存在するではないか。日本には、不良・体育会系がカッコイイ、真面目・文化系カッコ悪いという概念が、マンガ文化(及びそれ煽られた暴走族文化といったもの)の影響で諸外国に比べて揺るがしがたいほど強く存在している。いずれ詳しく論じようと思うが、感情だけを今ここでハッキリさせていただければぼくはその類の考えが大嫌いだ。中高生の時にタバコを吸う事やバイクで騒ぐことが「青春」で「反抗」で、まじめに勉強する事がダサいという風潮も、実際にそれをやってカッコつけていた人たちも、大学生となった今、目の前でタバコをぷかぷかと吸って「あんたなんて悩み少なそうだし子供ね、大人になるといろいろストレスたまるのよ」的な面して、そういった形式面でしか大人ぶれない大人も大嫌いだ。(ちなみ、タバコを吸う人全員がそういうわけではありません)
小谷野自身、今までの文章を見るに明らかに文化系人間であるにもかかわらず、こと喫煙問題に関しては、イヤミで高慢なインテリ層とそれに「圧迫」される低所得層という古典的マンガの構造を持ち出すのは残念だ。



もちろん、あらゆる人からの反論を待つ。





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Last updated  February 6, 2005 10:02:34 PM
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