駄目人間は箱の中

駄目人間は箱の中

車輪の下


雲が立ち込めて
墨色になった
風に打たれながら急いだ

遅れた時間を
取り返すように
加速して行った死出のドライブ

行き急ぐつもりはまるでなかった
苦しむ理由さえもなかった
車輪の下へ続く岐
そうと知らず彼は辿ってしまった

そして 半日の後に
降り出した雨が
彼の痕跡を洗い流した

菊の花に送られるには若く
新聞の隅 幾度も読み返した
車輪の下へ続く岐
そうと知らず彼は辿ってしまった

誰の身にも振りかかる
危難と言い切れるだろうか
彼と共に潰された
縁石を今日も雨が叩いた

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