ロゼーテの秘密 ~私の心が観たもの~

ロゼーテの秘密 ~私の心が観たもの~

2012.09.06
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リュトン。なんと優美な響きだろう。「流れる」という意味を持つこの器は、動物のツノを模した流れるようなラインが美しい。ツノ笛から花束がこぼれる絵を昔どこかで見て以来、角杯には遠い日の、魂に転写されたような憧憬があった。そのツノ型酒器が、宗教儀式として使われていたのだという。古代ローマ__当時は多神教であったが__キリスト経が確立される前のことで、ローマ教の典礼は今に伝わってはいない。上部の広口からワインを注ぎ、下部の小さな注ぎ口から注ぐ、なぜか安定感がまったく考慮されてないリュトンは、つまり、二人がかりで使用されたと思われる。つまり、ひとりがリュトン本体を支え、注ぎ口を指で塞ぎ、もうひとりがワインを注ぎ入れたのではなかろうか。コルクで塞いだりしたのではないだろう。リュトンにワインを流し通すことによって、ワインは神聖なものへと変化したといわれているが、どうにも謎が多い。

鹿リュトン
(牡鹿型リュトン 青銅製 上部からワインを入れ、鹿の胸部分から何かへ注いだらしい MIHO MUSEUM HP より)







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Last updated  2012.09.22 17:52:23
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