流れ星と羊飼い

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君に

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2017.08.07
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カテゴリ: その他
あまり恵まれた環境での育ちではなかったので
子供の頃はほとんどテレビを観れる事はなかった。
小学生の高学年頃合いに諸々の事情で大阪に戻ってくる事になった。
祖父が電気屋をしてたのでその当初まだそこまで普及していないベータやら
VHSなんかでダビングした映画を沢山観せてくれて、こんなに楽しい事はあるものだなと心躍った。
丁度その頃にTSUTAYAが大阪の枚方で少しづつ流行りつつあり、じきに映画をレンタルする事がどの家庭でも日々の楽しみとなり、
祖父が連れて行ってくれては今まで観る事の出来なかったアニメ映画やら洋画なんかをレンタルしてくれ
経営してる電気屋で随分と観せてくれその時の喜びは今もこの歳になっても喜びとして残ってる。
祖父の死の間際にある事情で、悪魔じみた言葉を吐くつもりであったが、それをぎりぎりの所で踏み留まれたのは
その時の輝ける喜びの日々があったからこそで、だからこそか甥っ子との関係性でも似たような事をしていたりもする。
瞬く間の期間ながらでも、心躍る事に共有し合い楽しみ合う事は鮮明に喜びの日々として焦がす程に命に焼き付く事を知っているから。
高校を中退して工事現場の仮設の組み立ての仕事をしてる頃に家の近所にビデオレンタルのチェーン店が経営され、
何時までも執着したその当初の友達と様々な映画を借りては随分と沢山のものを観た。
そんな時に何故だか俺とその友人はバットマンの映画にとても関心を持ちそのレンタル日を心待ちにして、
いざレンタルされるいなや直ぐに借りて共に観た。
物事の深さに関心も及ばぬ15のガキながらも、深い傷を負った御曹司の金持ちボンボンが
決して正義の味方と呼べやしない日本のヒーローものでは怪人でしかないコスチュームにその姿に身を包み、
その行い自体も決して正義と呼べるものでもなく、悪人に行き場のない復讐の負のエネルギーをぶつける事に、
己の恐怖した存在になり下がる事で己の傷を隠すその存在に目を奪われ憧れもした。
二十代の頃は、鳥でも獣でもなく我知らずと半端に闇夜に徘徊し生きる蝙蝠と自身を揶揄していたものだけれども
自身の半端さを思い起こせばそれも当然と言えてる事だと今では随分と思え、
人の心を奪い駆り立てる程の復讐のエネルギーは俺は持ち合わせてはいなかったんだろうと今では素直に受け入れている。
恐怖した存在としてその身を焼き尽くす程に俺は強くもなかったと思える。
二十代頭頃にナイキのスニーカーが流行り、何かの偶然とその当初に俺もまた世間と同じくスニーカー集めにはまっていた。
(流行り廃りに関心ない自分には珍しいこと。)
そしてその同時期にアメコミも流行りつつあり、スニーカーを買いあさりにアメ村に行けばスニーカーと一緒に
アメコミにアメコミフィギュアなんかも共にあった。
その画力の凄さやカラーリングに感動もした。
そもそもが絵を描く事、小説を読む事、映画を観る事が好きだったので、
漫画でもあり、映画みたいでもあり、アートでもあり、小説的でもあるアメコミは今にすればその当初に
もっとはまっててもおかしくはなかったけれども、それでもそこそこ関心事の一部として心に残ってた。
その当初から少しして、
新たな自分の友達と思える者とどうしてだか今更とバットマンにはまってた。
俺が買ったレンタル落ちしたバットマンの映画を互いによく観てた。
もしも自分がアメコミのヒーローになるならば誰がいいかなんて酒に酔っ払いながら語らいあった。
スパイダーマンは身体的に異常きたした上で手首から蜘蛛の糸なんて自分から出たら気持ち悪いし
職業は喰うのも困る売れないフリーカメラマンであり、ヒーロー活動も職業も金にもならない日々で
それでも日々に追われ過酷であり、俺はやっぱバットマンがいいよなと嘯いた。
大金持ちの社長でプレイボーイで、決してミュータントになってるでもなく、
それでいて少年時代の痛みを抱えてる影のある男としてニヒルに自身に酔いながら、
悪人退治にやっきになり、おもろい人生じゃねぇのかなぁと。
丁度その頃にノーラン版のバットマンシリーズが始まる事になり、観に行かないといけねぇよなぁと
二人そう言ってはそれでも観に行く事もなかった。
そして俺は三十代半ば多くの事を損ない本来生きてきた場所に戻ってきた。
酒に溺れ朝帰りやら幾つもの警察事を起こしたり、
それはまた別の形ながらもシンナーなんかを吸ってはうろついてた十代の頃に近くもあり、
しかし同じように映りながらもそこには根底的には自身の真意、目的があった。
そしてそれらをその全てを絞り出し尽くし、
そのあとに、
昔好きだったものに触れてみたり、
関心あったものに手を出してみたり、
心躍った事に身を費やしてみたりして、
自分の中にある何事かを探した。
それはまるでもう浦島太郎の気分で、
随分と長い事竜宮城で遊びほうけて
唐突に随分先の現実に足を踏み入れたような、
とてんでもない年月の経過と言うものを驚くほどに感じてた。
昔好きで置いてきぼりにしてきたものに触れるこの感覚は
とても言葉に表せれる簡単な単純な物事ではなく、
喜び、嬉しさ、気がつきとしたポジティブなものでもなく、
ましてや、
後悔、懺悔の想いとしたものでもなく、
ただただあるものは不可思議な戸惑い。
気がつけばかれこれとアメコミを百冊以上買い、
本棚に整理しては手にして読んでみたりとひそやかに喜んでた。
アメコミは安くて二千円で高くて六千円以上もして日本の漫画みたいに気軽に手に出来る物でもなく、
まるで画集なんかを手にする感覚にも近かったり、
小説を読んでるようでもあり、
アートであったり、
詩的でもあったり、
映画の大迫力みたいな見開き一杯の絵がページを覆ったりと心躍る。
今の所はきりがないからDCコミックに絞って手に入れてるのはやはりバットマンが好みだから。
こうしてアメコミを読み漁り映画のバットマンはただのバットマンの一部でしかない事を知った。
で、
アメコミで一番好きなキャラは二代目ロビン、ジェイソン・トッド事レッドフード。
(もちろん同格と同じくらいにブルースも一番だな。)
その理由やら、
DCコミックの好きなタイトルやらその多諸々は後日語ってみようかな。
因みにタイトルにある"僕は蝙蝠になろう、、、"はブルース・ウェインのセリフ。
蝙蝠はブルースの呪いの象徴である事を知ればなんとも寂しくも心痛いセリフなんだろうかと感じる次第。





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最終更新日  2017.08.07 00:24:41 コメントを書く


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