松尾大生の独り言

松尾大生の独り言

2010.03.12
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お客さんや親戚、先輩後輩、友人知人への挨拶まわり。

仕事上でも、特に何も用事がなくとも、時々、

「こんちわァ」

と、顔を出す。重要なことだ。遊びに行って、茶飲み話をする感覚。相手が忙しそうだったら、

「また来ま~す」

と、軽い感じで帰る。顔を出したという印象だけは残る。

出不精な俺には、この挨拶まわりができていない。お客さんにも、用事がなかったら、顔を出さない。親戚にも、随分と不義理にしている。反省だ。

挨拶まわりも色々。時々、電話をかけて、近況を尋ねるのも、広い意味での挨拶まわりだ。メールでもいい。



「松尾くん、挨拶が一番、大切なんだよ。挨拶さえ、しっかりできれば、どんなに仕事できなくても、どんなに馬鹿野郎でも、食べていくことはできるんだよ」

少し、極論かとも感じたが、なるほどなァ……と思った。

それ以来、俺は、対面の時の挨拶だけは、キチッとするようにしている。挨拶まわりは、出来ていないが……。

昔の人は今より遥かに挨拶まわりを重視していた。生きている間だけでは飽きたらず、死ぬ前後にまで挨拶まわりする方々が多かった。

昔、母方の祖母からきいた話だが、若い頃の祖母が自宅の居間で、ボーッとしていると、ベランダの外に、入院している筈の姪子が現れて、深々とお辞儀をしたそうだ。

「あら、○○ちゃん!」

と思ってベランダを開けようとしたら、既に姪子の姿はなかった。

あとで確認したら、その姪子、挨拶に来た同じくらいの時刻に、病院で死亡していたそうである。

あっちの世界では、他人に依頼する形の挨拶まわりもあるみたいだ。

若い頃の母が、明け方、アパートの布団の中でウトウトしていると、階段を誰かが登って来る音が聞こえたそうだ。続いて、アパートの玄関を外から叩く音が聞こえて、

「松尾さ~ん。電報ですよ~。今、お父さんが、お亡くなりになりましたよ~」



後で確認したら、やはり、同時刻、母方の祖父は病院で死亡していた……。

ある、親戚のお婆さんは、亡くなる間際、家族に、病院のベッドに寝ながら、

「夕べ、みんなに挨拶まわりしてきたよ」

という言葉を残して亡くなった。

派手な挨拶まわりもある。



玄関には、鍵がかかっていた。まず、玄関をバンバンと強く叩く音と、ドアノブをガチャガチャと、いじる音が聞こえたそうだ。

次の瞬間、鍵がかかっている筈なのに、玄関に誰かが入ってきたので、みんな、奥の部屋に逃げ込んだそうだ。

まだ小学生だった二番目の兄貴が、侵入者の姿をチラッと見たらしいのだが、父方のお爺ちゃんだったそうだ。

家族は奥の部屋に逃げ込んだが、お爺ちゃんは、居間にまで入ってきて、ドスンッ、ドスン
、と派手に足音を鳴らしながら、奥の部屋に迫ってきたそうである。

母は絶叫した。

「お爺ちゃん、もう分かりましたァ! 来ないでくださ~い!」

すると、ピタリと派手な足音が消えて、居間には誰もいなくなっていたそうだ。

これも、やはり、後から確認したら、同時刻、お爺ちゃんは亡くなっていたそうである。この話は、うちの家族の間では、恐怖の伝説として、今でも語りつがれている。

派手に登場したお爺ちゃんは、生前も派手な人であった。生粋の関西人で、最後まで派手な人生を送った人であった。

まったく、最期の挨拶まわりといっても、人それぞれだと思う。

なぜか最近は、亡くなる方、亡くなった方の、挨拶まわりを受けた人々の体験談は、まったく聞かなくなった。

それが、時代の趨勢なのだろう。

死亡前後の方々の最期の挨拶まわりは、個人的には、勘弁して欲しいと思う。挨拶まわりは重要なことだけど、これだけは例外である。

はっきり言って、怖いのだ!





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Last updated  2010.03.12 13:43:00


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