松尾大生の独り言

松尾大生の独り言

2010.03.31
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それなのに、少し、危険な雰囲気でしょう? サブ系の演歌歌手のようでもある……。青年時代から結婚前までの写真は、これくらいしか残っていない。

ちなみに、この写真を撮影した五、六年ほど前は、この写真より数段、危ない人相であったと思う。

そんな、最も危ない人相の頃、夜のススキノに、辛子色の派手なダブルのスーツを着て、毎晩のように出没していた。危ない人相の上に、身長は約180センチ。我ながら、かなり迫力があったと思う。時には胸に、社会保険労務士のデカい金バッチをつけていた。(調子こきやがって!)

客引きに声をかけられることは、ほとんど皆無だったが、たまに、勘違いした若い客引きなどから、声をかけられることも稀にだが、あった。

そんなある日、やはり、若い客引きから声をかけられた。

「なんだクゥルァッ……」

と低音で追い払う俺。

客引き「兄さん、本州の方でしょう?」



客引き「そりゃ、分かりますよ。だってその金バッチ、北海道の組のものじゃあ、ないですから……」

こ、こ、こ、この野郎! 人を何だと思っているんだ? と、びっくりした。

それ以来、俺は、社労士のあのデカい金バッチをつけるのは、やめた。

同じ頃、ラットブラザーズという外国人客の多い、安いショッッバーでの俺と超・美人風俗嬢とのカウンターでの会話……。

風俗嬢「ここのヘルスで働いてんの」(名刺をくれる)

俺「そうなんだァ……」

風俗嬢「今のお店から他のお店に移るつもりなのよ」

俺「ふ~ん」

風俗嬢「条件は? 詳しく説明してちょうだい」

俺「なんのこと?」

風俗嬢「スカウトでしょう? 同業者じゃないの!」



俺は今でこそ、ケンが取れて、ただただ可愛いだけの汚い中年オヤジになれたと思う。

しかし……。

4、5年前までは、まだ、危ない雰囲気が残っていたみたい。今でもそうだが、結婚してからの俺は普段着はジャージばかりだった。妻からは、

「ジャージで外をウロツクのは止めてちょうだい。あなた、自分が他人から、どんなふうに映っているか、知っているの? ジャージ着て歩いていたら、まるで、そのまんまじゃないの!」

「そのまんま?」



ああ、竿だけ屋って、テキ屋がやっている商売なんだなァ……と、俺はピンときた。恫喝の仕方が、完全にヤクザなのだ。勿論、テキ屋といえどもヤクザである。俺の父方の祖父もテキ屋だったから、よくわかっている。

驚いたことに、普段は何かと、うるさい近所のオジサン達が、誰も助けに家から出て来ない。近所はシーンと静まり返り、テキ屋のオヤジの独壇場。

俺はテキ屋に声をかけた。

俺「おじさん、恥ずかしいから、やめなさいよ」

テキ屋「な、な、なんだお前。お前になんの関係があるんだ。だいたい、お前どこのもんだ」

俺「町内会のもんだ」

テキ屋は納得したのか、去って行った。

テキ屋が去って行った途端に、近所の家からオジサン達が一斉に飛び出してきて、

「けしからん」

だの、

「警察に通報すれ」

だの騒ぎ始めた……。

俺は情けないのを通り越して、呆れてしまった。

昭和の時代、まだ明治生まれの年寄りが多かった頃ならば、テキ屋は複数の年寄りから説教されて逃げ帰っていたことだろうに……。

士業の金バッチに話題は戻る。

俺は社労士と行政書士と弁護士の金バッチしか、記憶にない。弁護士の金バッチは、漬け物の、タクアンのようにでかい。社労士の金バッチは弁護士ほどではないが、やはり、でかい。行政書士のバッチは割と小型だが、金バッチに変わりはない……。

今どき、ヤクザですら、金バッチなどつけていないのではないか?

情けない……。

士業は、もっと敷居を低くしないといけないのに、デカい金バッチをつけてるのは、お客さんに対しては、威圧感以外の何者でもない。

以前、ある士業の大センセが、

「俺は限りなく敷居の低い事務所づくりを目指している」

と、言っていた。なのに胸には金バッチが輝いていた。

士業のみなさん、我々はヤクザではない。

「士業とはお上公認のヤクザ」

と、漫画の「カバチタレ」の原作者は言っていたが……。

ともあれ、みなさん、金バッチを外しましょう!

あの金バッチ、弁護士をはじめとする法律系士業の敷居の高さの象徴に他ならないと思う。

ただし、例外はある。士業の方々が悪徳会社に乗り込んでいく時、法律的な恫喝をする時だけは、あの金バッチ、良いツールになる。

そんな時以外は、金バッチはタンスの引き出しにでも、しまっておきましょう!

士業はヤクザでも国会議員でもないのだから……。





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Last updated  2010.03.31 12:28:40


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