松尾大生の独り言

松尾大生の独り言

2010.06.01
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何気なく近所のコンビニに立ち寄ると、目についた、

●自分の中に奇跡を起こす(W・ダイアー)

……という文庫本を買った。題名に惹かれたのである。

辛い時期であったので、俺は精神的な救いを求めて、その本を、繰り返し繰り返し、ボロボロになるまで読んだ。

つまり、

●自分の中に奇跡を起こせば、全ては変わる!

と、いった内容の本であった。

ダイアー博士は、元々は、心理学者、精神科医……いまや、アメリカを代表する、社会教育家である。



●人間の中には無限大の偉大なパワーがある

●肉体が精神を持っているのではない。精神が肉体を所有しているのだ

●故に、本来、死はない。死は誤解である

●自分の中に奇跡を起こせば、あらゆる願望は可能となる

……といったことが際限なく綴られている本だった。

あの頃は、一時、金なし女なし車なし、……といった状態で、ダイアー博士の言っていることが、最初、なんのことやらわからなかったが、

●自分の中に奇跡を起こせば、救われるのか?

という思いで、苦しい苦しい精神状態の中で、繰り返し読んでいくうちに、真意が理解できてきたのだ……。

同じ頃、やはり貪るように読んでいた本があった。小説家の宮本輝先生の「道頓堀川」である。その中の、こんな、詩とも呟きとも取れるフレーズに、俺は衝撃を受けた。そうだ。魂が震撼する程の衝撃を受けたのだ。



船に乗っていく

別々の所で生まれ



同じ船に乗り合わせて

流れていく……




……たしかそんなフレーズであった。

ダイアー博士に話は戻るが、確か「自分の中に奇跡を起こす」の中には、このような要旨のことも書かれていた……。細かいフレーズは覚えていないが、真意は既に俺の中にある。いわく、

●この世の真実の姿、人間の真の可能性について、まずは考えなさい。そうして、次に、自分の適性についてよく吟味しなさい。そうして、世界が、より調和に満ちた形で平和になる為に、自分の適性を生かして、いったい、何ができるだろうと考えなさい。強く願いなさい。願いは必ず実現する。



●宇宙観・人生観とは何か

●自分の適性は、本当はどこにあるのだろう

●宇宙観・人生観に基づいた形で、どうやったら、社会還元できるだろろ

……つまりは、

●人生哲学●自分の適性●社会還元……この3つを頂点とした、三角形を想像していただきたい。その三角形の中に、自分の精神的な安寧も、生き方も、成功方法も、将来的ビィジョンも、全部含まれている筈である。

だから、俺は、経営者やサラリーマン、老若男女、だれかれ問わず、良い人生を送ろうと希望している方には、

「あなたは、どんな世界観や人生観を持っているのだい?」

「あなたの本当の適性って、いったい何だろう。考えたことはあるかい?」

「世の中を良くしたいとか、どうやったら自分は社会に貢献できるか、考えたことは、あるかい?」

この3つの質問は、よく、する。大抵の方々は、3つとも、答えられないが、ソクラテスの産婆術のごとくに、一つ一つ、相手から、自発的に引き出していくことが重要だ。それには、何よりも、対話が必要になる。

会社は経営者の器よりも大きくなることはない、……と、いうが、これは個人も、あらゆる組織についても、国家についても、共通していることであろう。

例えば、松下幸之助氏について、松尾式の三角形の頂点から考えてみよう。

松下幸之助氏の宇宙観は、

●宇宙観は変化しつつ、常に流転していくものである。変化は進歩であり、進歩の末に宇宙は最高の完成・調和にいたる

松下幸之助氏の適性は、

●良いもの、良いサービスを提供して、キッチリとお金をいただくのは当然の誇りである。

松下幸之助氏の社会還元のあり方は、

●会社は、雇用の創出と、国に税金を納める為に存在している。より多く税金を納める為に、良い仕事をして、より多く稼ぐ。その税金が、学校や道路、橋や社会福祉のもとになる

この三点を頂点とした三角形の中に、今の松下電器はあると思う。

ところが……。

大抵の経営者の世界観、……本音は、

●この世は弱肉強食で金こそ全て。お金が一番大事。

大抵の経営者の適性は、

●儲かることなら、なんでも飛びつくという適性……。

大抵の経営者の社会還元の意識は、

●もうけたら、自分や家族が、美味いもの食ったり、良い暮らしをしたり、車屋とか、歓楽街にお金を落とす形の社会還元……

実際に、よく話をしてみると、せいぜい、そんなところである。

こんな経営者が成功する訳が無いではないか! 会社の規模もせいぜい社員500人位が限界で、常にギスギスした雰囲気の中、自分も苦しみ、社員も苦しめている。

今の日本という国家も、その構成員である個人個人も同じ構図ではないだろうか?

国に高い理念がなく、適性を見失い、世界に何かを還元する姿が無いのと、個人個人にも、それらが希薄なのも、同じ構図……。自殺者や鬱病患者が増える訳である。また、経済的にも破綻しかねない状況。

こうった三点については、まずは押し付けられた憲法ではなく、自発的に作成された憲法に明確に定めることが重要だ。そうしないと国民に浸透しない。

会社も同じ。会社の憲法は就業規則等であろう。それを社員に浸透させる。

個人も同じ。三角形の頂点すら確立されていない人間に、どうして精神的な安寧や社会的成功がありえるだろう。

これ、基本的なことだ。当たり前過ぎる……。

国家も組織も個人も、絶対に器以上には、なり得ない……。

●自分の中に奇跡を起こす!

個人も組織も、国家も、人類全体も、より崇高な高い理念なしでは、蘇生の道は無いと信じている。

何よりも大切なのは、対話である。


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Last updated  2011.10.12 08:14:55


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