松尾大生の独り言

松尾大生の独り言

2011.07.06
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「娘さんですか」

近所の公園で、息子と遊ぶ五歳のサユリちゃんを見ている婦人に俺は尋ねた。

若い……。

四十代に見える。下手したら俺と同じくらいの年齢に見える。気品もある。

もしかしたら、さっき名前を聞いたサユリちゃんのお婆ちゃんかもしれないな、と感じつつも、大事をとって、


「サユリちゃんのお母さんですよね」


「あら! もうすぐ還暦なのよ。嬉しいわァ。なんかないかしら」


婦人はベンチから立ち上がり、バックの中をまさぐり始めた。


「なんもいりませんよ。だって本当にママに見えたんだもの」





「それじゃあ、飴(あめ)だま持っていたら、一つください」


俺は婦人から、ストロベリー味の、のど飴をいただいて、なめ始めた。

それから、世間話が始まる。


ふいに婦人が俺に、


「お父さんの仕事は、トラックでしょう?」


「よく分かりましたね。長距離やってます」


トラックのドライバーに見られたとは光栄だ。俺も嬉しくなる。


「私は、お掃除さん、幼稚園の掃除を専門にやっているの」


「ほう、それは貴重な仕事ですねえ」


と、俺は褒めたたえる。

それから婦人は、あれやこれや、一人で語り始める。こういう時は、聞き役に徹して適当に頷いていたら、相手が勝手に、こちらに好感を持ってくれるものだ。息子のことまで世話を焼いてくれたりし始めた……。




二十代のはじめ、俺は札幌市で学生をやっていた。

カール・グスタフ・ユングに凝っていた時期があり、その頃、ユングの著作を読みまくっていた。


お金が足りず、買えない本は、書店で立ち読みした。その中に、ユングが、ごく親しい友人・知人の為に綴った書簡の翻訳があった。こんな内容。



ある夜のこと、ユングが自宅でくつろいでいると、周囲から、不穏な空気を感じたそうだ。

家のドアをノックする音、……何度、確認しても外には誰もいないのに、呼び鈴は鳴り続け、ドアのノブは、ひとりでに動いている。



その後、様々なポルーターガイスト現象が頻発する。


ドアを開けると何百人もの幽霊たちが、ユングの自宅に入ってきた。


ユングの母方の家系は、代々、霊媒の体質であった。霊媒の心理を分析した論文「心霊現象の心理と病理」が確か彼の出世作品だった筈。


ユングには幽霊が見えていた。幽霊たちの言葉も聞こえた。幽霊たちは、こんなことを言っていた。


「われわれは、真実を探して、世界中、いたるところの賢者の家を訪問した。どこに行ってもわれわれを救う真理は得られなかった。そこで今夜はここに来た」

カール・グスタフ・ユング……。彼は、怯えることなく、般若心経に似た、即興の詩を幽霊たちに捧げる。

幽霊たちは、納得して消えて行った……。


と、そんな話……。実際の出来事である。ユングの周りでは彼が死にいたるまで、そういった不思議な現象が沢山あったのだ。


つまり、言いたかったのは、この世が、目に見える世界だけだと思っている方々、それは大変な間違いではないか、また、死んだら何もかもオシマイだと信じて疑わない方々、死んでから生まれ変わる為に、今の世での修行が、この世の旅です……と、そんなことを言いたかった。死んでから、行き先を失い、世界をさまよい続けるような「モノ」にだけは、ならないでいただきたい、と。
それと、もうひとつ、……これは後で話す。



ところで、プラトンの「イデア論」というのをご存知だろうか。

プラトンは、若い頃から、ソクラテスとの対話を通して大哲学者となっていく。プラトンが悟った、この世の真実は、「イデア論」に凝縮されている。


プラトンに言わせると、この世は、影の世界、映し出された世界に過ぎないという。


実在するのは、イデア界だ。そうして、イデア界の向こう側には、イデア(ひな型)をこの世に映し出す無限の光が燃えているという。


洞窟の例えは有名だ。

ここに一人の男がいる。生まれた時から洞窟に住んでいるから、外の世界をしらない。外では、火が燃やされて、馬の模型や、机の模型、船の模型、人間の模型……様々な模型が、炎の光に映し出され、洞窟の中の壁で、影となり、動いている。

洞窟の中の男は、洞窟しかしらないから、それを影とも分からず、現実と判断して、影の中で暮らし続ける……。

洞窟の中の男とは、もちろん、われわれ人間である。


さらに話を変えよう。

唯物論という考え方がある。この世には、ただ物質のみしか存在しない……。


いや、そうではなくって、全ては心でできているのだ……アメリカの精神科医・ダイアー博士によると、デカルトのあの有名な言葉、


●我おもう、ゆえに我あり


あれは唯心論の宣言だという。われわれは、高校の教師からデカルトのこの有名な言葉すら、正しく教わってはいない。デカルトの言葉を言い換えるなら、


●私の心は存在している。ゆえに、世界は存在している


哲学的立場に立てば、唯心論と唯物論は、常に対立しあってきた。戦争も起きた。そうして今は、唯物論の時代である。資本主義も共産主義も、唯物論から生まれた、双子の兄弟であり、面白いことに、母親は、ユダヤ教という、「唯心論」ではないかと思う。


●初めに言葉(ロゴス)があった。言葉は神と共にあった……(旧約聖書、冒頭部分)


これは唯心論である。「唯心論」の「心」を自己の中ではなく、自分の外に置くことで、西洋人達は、ここ数千年、ヨーロッパで、インドで、アメリカ大陸で、アジアで、大変な間違いを起こしてきた。


戦争の原因は、経済活動の爆発であった。爆発した供給は新しい需要を求めて、外へ外へと出て行かざるを得なかった。無理やり発生させた需要は今度は供給を求めて、……経済活動に歯止めが効かなくなった時、戦争が起きた。言わずもがな、近代のあらゆる戦争は、こういった資本主義の産物である。

資本主義に対する批判から、共産主義が生まれた。

そうして、二十世紀の共産主義支配による、粛清(しゅくせい)に次ぐ粛清……。少なくとも一億人は共産主義の為に全世界で処刑されただろう。


●悲惨な唯物論も唯心論も、母体はユダヤ教・キリスト教である


ユダヤ教的、唯心論は、イスラム教やキリスト教を生み出し、キリスト教は資本主義を生み出し、資本主義に対するキリスト教の潜在的な復古運動の産物が共産主義であった。


●すべての不幸は、一つの言葉から、始まった。


すなわち……、


●初めに言葉ありき。言葉は神と共ににありき


これが、この三千年の人類の「悲惨」の元凶ではないだろうか。


イスラム教、ユダヤ教、キリスト教……人類は戦争の絶えない歴史を歩んで来た。しかし、この三千年ほど、限度を超えた殺戮(さつりく)の時代はなかったと思う。


その元凶は自己の神性を外在化して、架空の神……一神教をつくってしまったユダヤ教的な「唯心論」である。


●全ての不幸の元凶は指導的な哲学の誤りから、きている


もとを正せば、根本的な哲学の誤りから、今の過労死の問題も学級崩壊も、ニートも、社会的な不気味な事件も、人間を手段化してしまった哲学の誤りから発生していると思う。


かなり難しい内容になってきた。ついてこれない方々も出てきたことだろう。


次回は、ユダヤ教的な唯心論に対抗しうる、そうして、はるかに凌駕(りょうが)してあまりある、東洋的な唯心論について語ろう。

その唯心論を創設した者の名は、天台(てんだい)……中国の、あの天台大師である。

天台の唯心論とユングの集合的無意識論、プラトンのイデア論から、立証してみよう。

何を立証するのか? もちろんそれは、……。



●大宇宙は人間ゆえに存在している事実!




「のど飴、もうひとつ、いかが?」


気がつくと公園にのベンチに座っている自分。向かいの婦人は、俺に、のど飴を再び差し出してくれた。


「長距離のトラックなら、時間が不規則でしょうねえ。お父さん、頑張っているわね」


「仕事ですから」


俺は、のど飴のお礼を述べると、四歳の息子の手をとり、春風の中の道を、ゆらゆらと歩き始めた。


「バイバーイ、さゆりちゃ~ん」


息子は振り向いていつまでも手を振り続けていた。

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Last updated  2011.10.09 03:26:02


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