小さな世界

2014.05.09
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カテゴリ: 駄文
気づけば一年ぶりのブログェ…… もはや日記ではなく年記と呼んだ方がいいレベルの更新ペースですみません
去年はGSに落ちた数ヶ月後にテニプリにもはまり、毎日もえ転がっています。乾海おいしいですゴロゴロ
GSDにも行ってテニミュ大運動会にも行けてほくほく。どちらも喉をつぶす勢いでピギャりました

まあそれはそれとして。いろいろ整理してたら4年前に書いたらしいロイエド文章が発掘されたので、せっかくなのでここに供養しておきます。
他にもいろいろ書きかけが出てきたんですがさすがに書きかけは上げられないので完成していたものだけ……
あえて手直しせず発掘されたそのままの文章をさらすという恥さらしスタイル! いや決して手直しが面倒くさいとかそういうわけでは(ry

そうそう、ずいぶん長い間書いていなかった二次小説を最近またぼちぼち書き始めました
書いてるジャンルはGSとテニプリなんですけどね……^-^自分の中のブームには逆らえない……
即興二次小説 にマイペースに挑戦してるのでジャンルがGS・テニプリでもよければ覗いてやってくださいませ。書くのが遅すぎてだいたい未完で終わってますが……orz

ブランク長いのもあってなかなか思うように書けなくて悔しい!でも書くの楽しい!
もう少し余裕が出てきたらサイトをどうにかすることを考えたい……


近況報告が長くなりすぎましたが、そんなこんなで4年前のロイエド文章をどうぞ↓


―――――

※ロイ→エド





自分も大概大人気ないとは思うのだ。


例えば部下に向けられたあの笑顔が自分にも向けられればいいのにとか、
(彼は私を信用はしてくれているらしいが、いけ好かないと言って私にはあまり笑ってくれない)

彼の弟や幼なじみとの仲の良さを羨んでみたりとか、
(彼にとってかけがえのない存在になることは私が強く望むことのひとつだから)

時には彼が読み耽る文献や本にまで憧れを抱いてみたりして、



まるで親に構ってもらいたくて気を引こうとする子供のようだと心の中で己を笑った。
自分だけを見て、自分だけのことを考えて欲しいなど到底無理なことだと知っていながら、何度も何度もそんなことを考えてしまう。
それほどまでに、私は彼、エドワードに惹かれて仕方がなかった。
だがこれは叶うことのない一方的な想い。どれほど彼を恋い焦がれようとも、彼の綺麗な黄金色の瞳が自分を恋愛対象として見ることは恐らくないだろう。
そう分かっていながらまだ求め続けているのだから、なおさらたちが悪いなとロイは静かに息を吐いた。







静まりかえった軍の倉庫。ほとんど物置同然のため、普段人が出入りすることはあまりない。
ロイとエドワードは今、その倉庫内を歩いていた。

数日前、ロイはエドワードが以前から読みたがっていた本を倉庫内で発見した。
そのことを近況報告のためにかかってきた電話の中で話すと、エドワードは期待のこもった声色で是非読みたいと答えた。顔は見えなかったが、きっと目を輝かせていたのだろう。
しかしその本は倉庫外持ち出し禁止になっており、その旨を伝えるとエドワードは少し黙り込んでから、それなら用事が済んだら次はそっちに向かうからと言って電話を切られた。
そして今日、エルリック兄弟は司令部を訪ねてきた。
アルフォンスはいつものように礼儀正しくこんにちは、お久しぶりですと頭を下げるのに対し、エドワードはとにかくこっちは忙しいんだから早く見せてくれとせがんでくる。
相変わらずせっかちな兄をたしなめるアルフォンスを見て笑いながら、ロイはさっそくエドワードを倉庫に案内して――現在に至る。
倉庫内は軍関係者しか入れないため、アルフォンスは執務室に残っている。
倉庫は司令部から少々離れた場所にあり、小さな窓がいくつかあるだけなので中は薄暗い。
かつんかつんと響く靴の音がやたら耳についた。

「あの本、よく見つけたな」

静かな環境に耐えられなかったのか、エドワードが口を開いた。
ロイは後ろを着いてくるエドワードを少し振り返り、また前を見て歩き出す。

「別の探し物をしているときにたまたま見つけてね。君が特に読みたがっていたものだったからよく覚えていたんだが、」

まさか軍の倉庫で保管されていたとはね、と続けた。
エドワードはふーん、と生返事をしたきり黙ったまま歩いていた。
広い倉庫の中程まで歩いてきて、ようやくロイは足を止めた。それに倣ってエドワードも立ち止まる。
そこには天井まで届きそうなほど背の高い本棚がいくつも並べられていた。
ロイは近くに立て掛けてあった梯子をある本棚の前に持ってくると、念のためエドワードに梯子を支えるように頼んでから登りはじめた。
梯子のてっぺんまで登り、腕を目一杯伸ばして一冊の本を取り出す。埃まみれのそれを抱えてロイは梯子を降りた。
適当に埃を払ってからエドワードに渡された古びた本は、確かに彼が探していたものだった。
本を見つめているその目は宝物を見つけた子供の様にきらきら輝いており、この子もこんな表情をするのかとロイはしばらくエドワードを見ていた。

「お気に召したようで良かったよ」

だんだんいつまでも本を見つめ続けているエドワードがおかしくなり、ロイは少し笑いながらそう言った。
エドワードは少し気恥ずかしそうに視線を本から外すとロイを見た。
――ああ、綺麗な金色の瞳が今、真っ直ぐ自分を見つめている。自分だけを写している。
自分と違って、まだほとんど汚い世界を見たことのないその瞳が愛おしい。
彼の瞳に自分はどのように映っているのだろうか。彼にとっての自分とはどのような存在だと位置づけられているのだろうか。
あの金色が私だけを見て私だけを愛してくれたらどれだけ幸せだろうか。
私だけを私だけを私だけを私だけを私だけを

「…? 大佐?」

ロイが長く自分の顏を見ていたのを不思議に思ったのか、エドワードが首を傾げて彼に話しかける。
エドワードの声にロイははっとして意識を戻した。
彼の前ではどうにも不純な考えしか起こせない己の思考回路に嫌気がさす。

「…いや、何でもない。すまなかった」
「別にいいけどさ…。あ、そうだ。これありがとな」

本を少し持ち上げてニカッと笑いながらエドワードは礼を言った。
自分のこの醜い感情になど気づくこともなくそう述べた彼に、ロイはちくちくと刺すような痛みを胸に感じる。

「…ああ」

そう返すので、精一杯だった。



倉庫の出入口まで引き返している途中、エドワードはそういえば、と口を開いた。
ロイは足を止めて後ろを振り返る。

「オレはどうすりゃいいんだ?」
「は?」
「だから、この本の借りを返すためにオレは大佐に何をしたらいいのかってこと」

等価交換。
エドワードの言葉に、ロイは揺るいでしまいそうになる。
君が欲しい。
そんなことを言ったら、君は一体どんな顔をするのだろうか。

「君が、」

言いかけて、呑み込む。

「君が、…君たち兄弟が元の身体に戻ったら、返してもらうよ」

咄嗟に出てきたのがそれで、ロイは自嘲気味に笑った。
それはつまり、彼らが元の身体に戻るまで自分の元に拘束しておくということ。
ロイの妙な言い方にエドワードは首を傾げたが、特に気にしていなかった。




この恋が叶わないというのなら
(君を縛り続けて、閉じ込めて、そしていつかは――)



―――――



大佐ヤンデレ乙^-^







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Last updated  2014.05.10 00:30:51
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