放浪の達人ブログ

十二支



 正月になると「今年はなにどし?」という言葉をよく聞くが、俺はハッキリ言って
ネズミ年だとかトラ年だとかの十二支というものに全く興味がない。ていうかわかんねえ。
もっと言えば平成○年っていうのもピンと来ない。西暦だけにして欲しいとすら思っている。
こんな事を書くと年配の方々から文句が来そうだが、若い奴らはこう思ってるのが実情だろう。

実際これを読んでる皆さん、ね・うし・とら・う・・・と12匹の動物どもの名前を
順に言えるか試してみてくれ。スラスラ言える人はおじさんおばさんの仲間入りか、
それとも秀才クンのどちらかであろう。ちなみに俺は言えねえ。いい歳こいて言えない俺は
おバカの仲間かも知れないが、実は何を隠そう、昔はすげえ仕事もしたことがある。
そう、よりによって干支(えと)作りである。玄関とか居間に置いておく瓦で出来た
置き物を作っていたのだ。練った土を型に流し込み窯で焼いてから色付けをする。
正月の縁起物であるので9月から12月は大忙しである。どれぐらい忙しいかと言うと、
11月に入ってからは朝7時から翌朝の4時まで1日21時間労働、しかも日曜日返上で
2ヶ月間続けるのである。労働基準法なんて全く無視の過労死ギリギリって感じで
ただガムシャラに働く。立って寝てるヒマすらねえのだ。
その2ヶ月で窓際会社員の1年分は働いただろうな。そのスジの経営者のお方の下で
不法滞在の仲間と一緒にやっていたと言うのは、時効ではあるがまあココでは伏せておく。

 当然翌年の干支を作るわけだが中には十二支セットでの注文もある。
12種の動物を1匹ずつ箱詰めしていくんだが、実はこれが俺にとっては厄介であった。
ね・うし・とらまではわかるがその後の順番がうろ覚えなのだ。
ウマとかサルとかヒツジあたりの順番がわかんないのであった。
例えて言うなら科学の元素記号をスイヘーリーベ・・・と覚えていくようなもの、
あるいは江戸時代の徳川幕府の殿さんを家康から順に覚えて行くような苦痛が伴ったのである。
(ちなみに家康の次は誰なのか俺は知らねえ)

 全国中で135人しか入学出来ないという超名門「愛知県立碧南高校商業科」を
131番前後で見事卒業したエリート中のエリートの俺であるが、
(135人中4人は中途退学)そんなエリート教育を受けていても社会に出たら
何の役にも立たねえという現実を、俺は干支を作りながら思った次第である。
だって学校の勉強ってさあ、アレは単なる記憶力のいいヤツが頭がいいって感じじゃん?
何かと何かを混ぜると何かになるっていう理科とか、何とかの改新は何年に誰がっていう
問題が解けたってさあ、大人になれば意味ないんだよね~。
たとえ何かの拍子にそれ訊かれたって「あ、ド忘れ」とか「その授業の日は風邪で休んだ」で
ごまかせるんだよな。だから子供は冬休みの宿題なんかそんなにがんばって
やらなくってもいいよ、友達に写させてもらえよ。友達5人で分担してやれば
労力5分の1だぜ。実はこの協力(インチキとも言う)こそが社会に出てからは重要なんだぜ。
1つの壮大なプロジェクトを仲間と共に分担・協力してクリアーして行・・・・・・。
おうっと、先生から苦情が来るといかんでこの辺で止めておこうっと。

まあ、何はともあれ、この機会に家族中で十二支のね・うし・とらの順番を覚えてみてよ。
別に覚えたからって俺から賞品は出ねえけどさ!

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