放浪の達人ブログ

ヒマラヤの安宿



先日、自分の「放浪の達人ブログ」にネパール奥地の安宿のことを載せたら
読んで下さった人から「その宿を検索してみました」とコメントをいただいた。
その安宿はポカラという町から歩いて1週間程の奥地のカグベニという村にある。
カグベニはトレッキング許可証の範囲のギリギリにある村で、
そのすぐ向こうはムスタン王国という秘境があって入国制限されている。

レッドハウスという名のその宿は寺院を改装したゲストハウスで、
外観はラサのポタラ宮のような造りだが規模は全く違う全10室程度の宿だ。
2004年に行ったわけだからもう18年も前の話だ。
当時は1泊40円、寺院を改装しただけあって1階からの吹き抜け部屋には
巨大な仏像が祀ってあって僧侶達がお祈りをしていただろう面影があった。
宿泊した1人部屋は4畳ほどのコンクリ剥き出しの小さな部屋にベッドが1つ。
電気はないのでロウソク、寝具もないので持参の寝袋で寝た。
いわゆる僧侶の宿坊だったのだろう。
2月の寒い時期に行ったのでブリザードが下から吹きつけていた。
壁には800年前当時のままの阿弥陀如来だかの神様の絵が描かれていて
「一体ここはどこだ?地球の果てか?今は西暦何年なのだ?」といった
孤独のようだが孤独ではない、そんな時空を超えた感覚に包まれていた。

朝になるとブリザードは止んでいて、屋上からはアンナプルナやダウラギリなど
白くて高いヒマラヤ山脈がぐるりと見渡せて完璧なロケーションだった。
これで40円とは破格値だ。安過ぎる。といってもそれがネパールの妥当な価格だった。
ちなみに8年前の2014年にネパールの色んな安宿を家族3人で泊まり歩いた時は
どの宿も大体1部屋700円、1人当たり250円弱が相場だったので
通貨価値の変動もあって5~6倍の値段になっていた。
ただし食べ物の値段はそんなに値上がりしていなかったな。

で、前述のレッドハウスの現在の宿泊料をブッキング・ドットコムで調べたら
何と1泊7800円になっているではないか!ちょっと高過ぎねえか?
だけどいつも3ッ星レベルのホテルに泊まってる人達からすれば
非日常的な空間に宿泊できるわけだから価値ある7800円の宿泊代かも知れない。
今ではwifi完備ってことだから自家発電だろうけど電気が通ってるわけで、
お湯は出るかどうかは知らんが宿紹介の写真を見ると布団も枕もちゃんとある。
日本の山小屋は今や1万円以上するので、このレッドハウスのロケーションならば
7800円というのは妥当なのかもしれんなあ。
ちなみに海外では1人1泊いくらではなく、1部屋いくらなので、
2人で泊まれば1人当たり3900円ということになる。
その値段で8000m級のヒマラヤ山脈を堪能できるのだから安いってことか。
8年前のネパールで豪華で広い部屋の宿が家族3人1部屋で3000円だったことがあるが、
その時はロビーで値段を聞いて「げ!ド高ぇ~」と退散したことがあったが
もう今の値段のレッドハウスには泊まれないな。
今度カグベニに行く機会があったら民家に泊めさせてもらおっと。
俺はどこまでセコくて貧乏なんじゃい!(笑)

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