放浪の達人ブログ

エアコン



我が家では年に数度しか居間のエアコンを稼働させない。
ありがたいことに家の南側には建物が立っておらず風が通るし、
ほんの少しの高台(言い換えれば坂の上)に住んでいるので
夏の夜には窓を開けて扇風機を使うだけで大丈夫なのである。

ところが先日は台風のフェーン現象による気温上昇で
約1年振りにエアコンをつけることにしてリモコンを探して、
いざスイッチオンにしたら庭の室外機が異常な音を立てた。
トンカラ、トンカラ・・・とまるでハタ織り機のようなのだ。
原因は植物の蔓が室外機のファンに絡み付いていたのだった。
さすがにあの異音ではたまらないのでその夜は使用を断念した。
妻が翌日になって蔓を取り除いてくれたので使えるようになった。

アジアの夜は暑い。特に雨期に行くと酷いもんである。
ところが俺はタイのバンコクに仕事で30回以上は行ったことあるが
雨期に行っても雨に濡れたことは1度しかない。
夜中のうちに大雨が降って、起きたらベッドの下の草履が浮いていたとか、
深夜のバスに乗っていて車内まで浸水してきたとかはあるが、
昼間の行動時間では雨が来る匂いを察知してプランを変更しているからだ。
買い付けのために問屋ビルに入っているうちにスコールが通り過ぎるのを待つとか、
自転車で夜の屋台まで食事に行ってても遠くの遠雷を見て早めに帰るとかする。
前述の「雨に濡れたことは1度」というのは公表するのも気が引けるが
「気が付いたら雷雨の中でビールを飲んでいた」時で、
そもそも俺はビールは飲まないのになぜ注文して豪雨のオープンカフェで?と
疑問が湧くがハッと気付く直前までの記憶が全くないのである。
という過去の失敗談はここでは省こう、今回のタイトルは「エアコン」なのだ。

昔の俺はアジアに行った際は貧乏至上主義的なところがあった。
いかに安く旅をするかに全力を捧げていたのである。
バンコクの場合は1泊200円以内の安宿に泊まる。当然エアコンなどはない。
トイレとシャワーは屋外の共同、ベッド1つ分の広さの部屋には天井ファン、
場所はなるべく路地裏の閑静な宿と決めていた。
バンコクのカオサンロードに面する安宿は深夜までバーの音楽やら
レストランの大画面テレビの大音響で眠れないからだ。
毎回行きつけの安宿もあったがたまには初めて泊まる安宿もある。

ある時、細い裏道の奥にある安宿を見つけた。
気温と湿度の高い夏のバンコクの夜、窓のない安宿で寝る際には
Tシャツを水で濡らしたまま天井ファンの下で寝ると涼しく安眠できる。
ところがその宿の天井ファンは中心の軸がブレていてスイッチを入れると
「キュルキュルキュル...」と嫌な異音を発してとても寝れたものではなかった。
またある時は珍しくエアコン付きの安宿に泊まったこともあったが、
そこのエアコンもゴーゴーと音を立てて作動したのだった。
結局そういう宿では一睡も出来ずに朝になってしまうので、
やはりアジアでは窓を開放にしてアジアの風に吹かれて眠る方がいいな。

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