数ヶ月前に食品の 「ホルマリン使用」 が問題になった。
市場に出回っている魚肉類、豆腐などかなりの食品に、長期保存のため使っていたとの事。
そこで、バリ人大好き 『バクソ(bakso)』 (すり身団子のスープ) は
かなり危険な食べ物と評判になってしまった。
鶏か牛のすり身団子が一般的なのだが、
どちらも日本人の目で見れば魚肉ソーセージか、かまぼこを思わせる一品である。
その上ちゃんとまっとうに商売をしている人も沢山いると思うのだが、
ジャワ人の売り子が多いのでバリではますます敬遠される。
バリ人は彼らにあまり良い印象を持っていない人が多いので、
ウブドで悪い事が起きると何でも“ジャワ人”のせいにする所がある。
(話によるとジャワでは“バリ人”のせいにするらしいが…)
ホルマリンだけでも十分怖いのに、コストを下げるため
「鶏肉」 と偽って 「ねずみ肉」 が混入されているとかいう噂が蔓延したのだ!
『漁師』ウブド店 スタッフの会話
マデ:が、がーーん! 恐いよー。 病気になったらどうしよう?
ホルマリンって死体が腐らないようにする薬だよね?
リンゴちゃん:そうそう、この前近所のじいさんが死んだ時、医者が打ってたぞ。
ヤバイよなあ。。でも“バクソ”食いたいよなー。
アユ:毎日でも食べたい、私の大好物なのに…。
お父さんが頼むから止めてくれって。。。
コミン:いやそれでも、食べたい…。 時々なら大丈夫だよきっと!
と、まあ、みんな大好きなのだ。(笑)
うちのスタッフの中には
「週に5回はバクソを食べないと落ち着かない」 という輩がいるほどだ。
サンバル(チリソース)をガンガン入れて、ご飯と一緒にすすりこむ。
「唇がヒリヒリするほど辛くないと食べた気がしない!」
と言いながら食べる姿はとても 幸せそう ♪
そこでウブド近郊では 『クラモ(krama)・バリ』 (ローカルの相場は3,000ルピア)
と言って、バリ人によるバリ人のために作られた、
“豚肉のすり身団子スープ” が登場したのだ。
しかも売り子は 「僕は本当にバリ人です」 という証明のため(?)
ウダン(男の人の頭飾り)とサロン(腰布)を巻いているのだ!!
「そんなのバリの衣装を着ていたら、ナニ人か分からないでしょう?」
とおっしゃる方もいるかもしれない。
しかし、バリ人曰く「言葉でわかる」そうだ。
バリ語を話していても、イントネーションや単語でばれるらしい。
「ちゃんと確認してから買いなさい」と、マデちゃんがもっともらしく話してくれる。
すごいもんだ。
私など「そこまでして“バクソ”が食べたいか」と思ってしまう。
なんとペニダ島では「ジャワ人から“バクソ”を買っている所を見つけたら罰金」まで取るそうだ!
これは宗教上の問題から来る。もともとこの島はヒンズー教徒の島だったそうだ。
しかし、最近は他の島(特にジャワ)からの移住者が増えていた。
そこへ、3年前のテロ、そして今回の自爆テロがあって
「危険だからイスラム教徒(=ジャワ人)を住まわせたくない!」という動きが強くなったためだそう。
こうやって糧道を奪い、撤退させようというのだろうか?
ペニダ島出身の旦那を持つスタッフに言わせると、
「ジャワの人が多いと、泥棒も増えるんだよね。。。昔は皆知り合いだったから安全だったのに」となる。
私は思う。
別にナニ人と限定しなくてもいいのではないかなあ。
イスラム教徒はジャワ島だけじゃないのになあと。
ちょっと差別だなと感じるのだ。
でも、それほど宗教間の戦いは根深いということだろうか?
どこの国の人間だろうと、いい人と悪い人は存在する。
誰の心の中にも「善と悪」は必ず同居していると思う。
願わくば、今日の私の中でほんの少しでも善の部分が勝ってくれたら嬉しいな。
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