昨夜 ダンナと隣の市まで高速飛ばして 予約していた映画を観てきた。
そこまでして ずっとずっと みたかった映画。
『ラースとその彼女』 http://lars-movie.com/
その思いの通り 忘れられない大切な映画になった。 (ここからネタバレありです)
生まれた時に母を亡くしたことがトラウマとなり 心を閉ざしてしまった主人公のラース。
母屋で暮らす兄夫婦はガレージで暮らすそんな弟を心配しているが、ラースは義姉のお節介なほどのかかわりも拒み、孤独でいようとする。
シャイで優しくにこやかなラースは 普通に教会に通い、ミスターサンシャイン と呼ばれているが、同じ職場で女の子に好意を寄せられてもそっけない。
ある日ガールフレンドを紹介するとラースにいわれた兄夫婦は大喜びする。
ところがラースが連れてきたのは等身大のリアルドール ビアンカ だったのだ。
戸惑っていた義姉も『ビアンカを連れてきたのは理由がある。状況を受入れればきっと問題の解決に繋がる』という女医の言葉を信じ、ビアンカを人間のように扱う。
この義姉の母性にあふれた優しい眼差しがすばらしい。慈愛という言葉がぴったりだ。ああ、これが母のあたたかいまなざしなんだなあって。
教会の人々も、会社の同僚も、兄の会社の同僚も、町の人々は段々にビアンカごとラースを受入れていく。とても自然にあたたかく静かに見守るのだ。ビアンカも仕事やボランティアで 皆に溶け込んでいく。それぞれが丁寧に描かれていて 絵空事ではなく 全ての人が良い人なのだ。
自分の心の怒りや葛藤を表面に出すことのなかったラースが、ビアンカと過ごすことによって、ありのままの感情を出すことが出来るようになっていく。
そして ラースとビアンカには変化が起こっていく。
いつも冷静にラースに寄り添った女医は言う。辛い過去を持つ彼女も実はラースに癒やされていたのかもしれない。
『ビアンカは我々の【勇気】を試す存在でした。』神父が言う。
人間とはこれほど温かいのだなあ。
自分への矛盾に苦しみながら 進んだり、戻ったりを繰り返しながら ラースは一歩一歩
踏み出していく。
手を繋いでも、もはや痛みを感じることはないところまで。
雪景色と灰色の空なのに ちっとも寒さを感じない 町の心優しい人々のあたたかさで包まれて 本当に幸せな気持ちになった。
ダンナに帰りの車の中で『どうだった?』と聞いたら
『ああ。良かったよ』深く静かに答えた。
『人はきっと自分で自然治癒していくんだって思った。』そしてちょっと慌てて
『うーん。戻るとか治るとかと 違うんだけど。ああ、やっぱり大丈夫だなあって』
海底の底を走っているような不思議な感覚で 窓の外の高速道路を見て 魂が触れ合えた喜びを感じた。
『だけど、今の日本では考えられない映画だよね。映画としても無いだろうし 現実としても なかなかここまでは』
リメイクや大作でなく こんな素敵な映画がアメリカ映画だとは 見直したなあ。
脚本も素晴らしかったし、役者さんも本当に良かった。この監督はチェックしておこう。
どうぞ 愛する人と 見て 感じてください。 愛おしさが増すこと間違いなし!
DVDもリリースされているようなので、本当にお勧めです。