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Ryu-chan6708

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2006.05.27
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カテゴリ: 読書感想
A氏: 「誤訳」 と言ったけれど、どうやって発見するの?

私: 簡単だよ。日本語でよくわからないとか、おかしいと感じた箇所があると、該当する英文を見るのだよ。手元にないときは、大きな書店の洋書コーナーで立ち読みだ。そうすると英語では別の意味が考えられることが分かる。

A氏: 例えば?

私: 例えば、「演習の真っ最中に師団長が『ちょっと待ってくれ、敵の居場所を確かめよう』と言うんだ。演習が始まってから、八、九時間たっていて、 敵はすでに遅れをとっていた 。」という訳文だ。この話は、師団長の理論的な戦術に批判的な人物の発言だ。それが「敵はすでに遅れをとっていた。」というのはおかしいと思わないか。

A氏: そういえば、敵が優勢であるか、こちらが劣勢という意味なら筋が通るね。

私: 英文を見た 。” they were already behind us” だよ。”behind”を「時間の遅れ」と解釈したらしい。そういう意味もあるがね。しかし、ここは素直に 「敵はすでに背後に迫っていた。」

A氏: なるほど、前の文に「敵の居場所を確かめよう」もあるから、敵の場所がからむと考えたほうが確かに話の筋が通るね。

私: これは 「第1感」(2006.04.24日記参照) にあった箇所だ。
 それからこれは誤訳ではないが、よく意味が分からない箇所があることがある。次の文はスラスラ読めるかね。

「車を持つことはしばらく以前から、リアよりもさらに世間体を気にしなくなった僕の生活から抜け落ちていた。」

A氏: そういえば、ちょっと混乱するね。

私: リアというのは、昔の恋人だが、主人公は捨てられ、落ちぶれた生活になる。したがって、リアといた頃は、世間体があったが、今は、そんな世間体は必要がなくなったということなんだ。だから、それ以来、自家用車を持つことはなくなったという意味らしい。そうなると、

「リサがいなくなり、世間体を気にしなくてもよくなったので、それ以来、自家用車は持たなくなった。」

という文章のほうが、日本語として抵抗がないだろう。

A氏: なるほど、このほうが分かりやすい。

私: これは、ロバート・ゴダード「秘められた伝言」の訳からだが、この訳は全体的に名訳だ。上記のように、ちょっと気になる点があったがね。

 それから、誤訳ではないが、 原書無視 という訳があったね。2000年にMITのレスター教授の 「競争力」 デミング という名前が出てこない。おかしいと思った。原書を見た。付録の索引(翻訳書には索引無し)にデミングがあり、本文を索引したら 9行にわたって訳してない部分を発見。 無視された箇所に日本のTQCで有名な ジュラン も登場する。要するに訳者はジュランとデミングに恨みがあるのか、この9行を訳していない。とばした9行を私なりに訳すと下記のようになる。

「ジョセフ・ジュランは、第2次大戦後、晩年のデミングとともに、品質管理を日本に導入したと考えられているが、彼は、アメリカのCEOたちを鋭く批判してきた。それは、ジュランが権限委譲できないと考えている品質についての行動計画を、CEOたちは中間管理職にまかせていることに対してである。『彼らは、正しい演説をし、大きなゴールを設定するが、他のすべてを部下に任す――。彼らは品質を確立することは、下に権限委譲できない会社全体を確立することであることがわかっていない。』とジュランは言う。ジュランのこの批判は、疑いなく、的確である。」

A氏: 別に気にすることのない内容だね。何故、意図的にとばしたのかね。確信犯的誤訳かね。





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Last updated  2006.05.27 15:35:42 コメントを書く


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