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Ryu-chan6708

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2006.07.14
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カテゴリ: カテゴリ未分類
A氏 ヒアリング・スピーキング 中心の会話に弱いというね。君は、合弁会社に3年ほど出向した経験があるから、会話もできるのでは?

:だめだね。合弁といっても親会社の工場敷地内に小さなラインを作り、アメリカの会社から送られて来た部品で組立てる、いわゆるノックダウンの会社で、 常駐のアメリカ人はゼロ。
 しかし、一応、英語はネイティブから学んでおこうと、会社側がカネを出し、 残業で講師を呼んで週2回くらい勉強をやったかね。 最初、ペイパーテストをやり、俺はフリートーキングコースに入ったが、メンバーに技術系が多く、彼らは残業が多い。だんだん、フリートーキングクラスは俺と講師のネイティブだけになってしまった。

A氏 :それはありがたいことではないの?

:逆だよ。話すテーマがない。講師は「今日、会社であったトラブルのことでもいいですよ」というが、トラブルなど、日本語で書いても難しいくらいの内容だ。 結局、この研修プロジェクトは失敗になり、俺の会話力は向上しなかったね。

A氏 :でもアメリカの会社との業務上のやりとりもあるんだろう?

:当時は テレックス
 最初、担当重役がわれわれから情報を得て、英語にまとめ、これをタイピストがパンチして、アメリカに送っていた。この重役は貿易会社でアメリカに長い間いたという。
 しかし、この重役も常に工場にいるわけでない。返事が遅れそうになる。見るに見かねて俺が英語で返事を書きはじめた。このとき、学校英語が役立った。

A氏 :テレックス英語というは会話調だそうだね。

:コストの関係で、文字数を減らす。だから、会話調になるんだね。プリーズもpleaseでなく、PLSと書く。
 向こうの会社はシカゴにある。時差があるから、テレックスはこちらに早朝につく。そこで、俺は毎日、誰よりも早く出勤して、目を通す。そして、みなが出勤してくると指示したり、情報を集めたりして、英語で連絡内容を書く。それをタイピストがパンチして送る。
 最初は、その重役の名前で送っていた。

A氏 :理想的な英作文練習だね。

:仕事でやっているから、苦痛ではない。それに、英語を書くときは、ものすごく自己主張的に発想を変える。
 俺たち世代は石原慎太郎のように、アメリカに負けたくやしさみたいな意識があるんだね。だから、重役はアメリカに弱腰だと思っていた。だから、英語も攻撃的になる。をやたら使ったね。これが1年くらい続いた。

 そのうちにシカゴの会社がどうも日本側のテレックスの担当者が重役と違うようだと気がつき、日本の実状を見たいというので、独身の三十才台のR氏というアメリカ人を派遣してきた。独身なので3ヶ月くらいいた。


A氏 :ヒアリング、スピーキングはどうだった?

:それが 驚いたことに英語がスラスラ出たのだね。
 仕事の必要上の強制力があり、書くべき自分の主張があり、それに基づいてテレックスの英文を書いていたし、それも毎日だからだね。継続は力なりだね。日常活動になってしまっていたんだね 基礎さえあれば窮すれば通ずだね。

A氏 :君がいくつくらいのとき?

:30才台なかばだね。ところが、R氏以外のアメリカ人がときどき、シカゴから来るのだが、その場合、スピーキングはいいが、ヒアリングがよくない。耳が慣れていないのかね。

A氏

私: 面白いことにR氏が通訳になるんだ。彼のいい直しの英語で俺が理解する。

A氏 :結局、そのR氏が一種の英語会話の先生になったわけだ。
「文藝春秋」8月号 でピーターセン氏が リスニングや発音は個人的に反復練習して「体で覚える」ものだとして、学校では会話を習うものでないとしているね。

:俺の経験でもそう思うね。学校の基礎的な英文法をもとに、仕事上で言いたいことを簡単なテレックス英語を書けたし、その蓄積で、R氏が来たときに臨機応変の会話もできたということか。
 しかし、毎日のように英語会話したのはR氏がいた3ヶ月だけ。すぐに合弁の出向が終わって、日本語の世界にもどってから能力は次第に退化したがね。
 今は、暇ができたら「駅前」に行こうかと思っているがね。その前に日本の習字が先だ。

 だから、俺は経験から基礎的なことを学んでおけば、なんとかなると自分なりに思う。重要なことは、自分の仕事を日本語でしっかり語れることだと思うね。

A氏 :よく欧米人は「君の考えはどうなの?」と聞くというが、言いたいことが何かをしっかり頭の中で、組立てられていることがポイントだね。それも日本語で――――.





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Last updated  2006.08.24 08:35:36 コメントを書く


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