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私 : 全く新しい「がん」治療 薬「オプジーボ」 は、 日本の大学の基礎研究 から生まれ、 日本の製薬会社が世界に先駆けて製品化 し、注目を集めているという。
ノーベル賞候補とも目される生みの親・ 京都大学名誉教授・本庶佑 氏に インタビューしている記事 が掲載された。
本庶教授 は、 分子生物学者 で、 免疫の多様性にかかわる研究などで世界的に知られ、現在、静岡県 公立大学法人理事長 。 2013年、文化勲章受賞 。
A 氏 :「 オブジーボ」の基になる物質 は、 大学院生のちょっと面白い提案から始まった研究で偶然見つかった物質 で、どんな働きをしているのか調べたら 4年後 、 意外にも、異物を攻撃して体を守る「免疫」にブレーキをかける役割だ とわかり、この ブレーキをはずせば 、 免疫が「がん」を攻撃するのではないかと応用を考え始めた という、 初めから「がん」の治療をねらっていたのではない想定外の展開 。
私 : 免疫の力で「がん」を治す試み は、数多く行われてきたものの、 いずれもうまくいかず 、ほとんど タブー のようになっていたが、 素人はそんな「常識」にとらわれずにすむ 。
特許を共同出願した小野薬品工業 は、 1年がかりで国内の製薬会社に共同開発の打診をしたけれど断られ 、逆に、 こんなのに手を出したら会社がつぶれると忠告された という。
米国のベンチャー を訪ねて話したら、 「やる」と1時間で即決 で、 その後、別のベンチャーと小野薬品が開発することになり、あとはとんとん拍子 。
米国の臨床試験 で、 手の施しようがない「末期がん患者」の2~3割に効いた という 驚くような結果 が出て、 世界的に注目された という。
A 氏 :今回は 幸運 にもうまくいったが、 重要なのは、どんなに確信があったとしても、生命科学はやってみないことにはわからない、ということで、教授は、政府の科学技術政策の司令塔である総合科学技術会議 の議員 だったとき、 基礎研究の研究費はばらまきだと批判され、むしろ、ばらまかないとだめなんだと言った という。
私 : 教授 は、 政府のプロジェクト施策 のように、 5年間で何かをやる、というのは間違っていて 、 5年でできるとわかっていることはたいしたことはなく、種をいっぱいまかないと、どれが芽を出すか、わからないし、芽を出しても、枝が出るか、花が咲くか、さらには実がなるのか、わからないという 。
基礎研究には幅広くたくさん投資する ことで、 それが何万倍にもなって返ってきて、税収も増えて、リターンは大きい と 教授 は言う。
A 氏 : 教授 は、 若い人たちの情熱とエネルギーが今回の幸運を呼び込んだと思う ので、 若い人が元気になれるような、やる気が出るような、環境作りがきわめて重要だ という。
しかし、 この20年あまり、大学の基盤的研究費が減るなど研究環境は悪化 し、とくに ひどい目にあっているのが若い人たちで、大学院に進学し、年に50万円もの授業料を払って奨学金 もなし。
博士号を取っても、それに見合った職が少ない、これで進学するとしたらよほどのお人よし 。
教授 が、先日訪ねた ドイツでは、州政府の政策で大学も大学院も大部分が授業料は無料、奨学金 もかなりの確率でもらえる という。
私 : 教授 は、 大学院の授業料は無料にすべきで、財務省 は受益者負担の原則をいい、教育を受けた者が受益者だから負担しろというが、とんでもない間違いだ という。
受益者は国であり、国民であって、知の人材を育てることこそが、国にとって一番重要なことのはずだから、税金でまかなうべきで、こんな現状にした国の責任は重い と思うという。
A 氏 : 日本の製薬業界には主要な会社だけでも30社以上 あり、 多すぎる のではという。
そもそも 開発力を持つ製薬会社がある国は日本もふくめて6カ国程度 。
それは、 高度で知的な総合力が求められる からで、 薬の開発は失敗することもあり、リスクが大きいから、資本力がものをいうので、集約化が必要 。
私 : 米国 では、 バイデン副大統領 が「 ムーンショット2020 」という、 4年後までに「がんの征圧」をめざす計画 を始めた。
「 オプジーボ 」のような 新しいタイプの免疫治療の登場が大きなきっかけ で、そ れを中心にいろんな、方法を組み合わせれば、「がん」は克服できる、 と考えているという。
実現すれば、 生活習慣病のような慢性の病気のように 、「 がん」と人間は共存していけるかもしれない という。
確かに、受益者は国であり、国民であって、知の人材を育てることこそが、国にとって一番重要なことだが、 今の日本の大学のシステムを改善しないと、知的な人材が育たない ね。
この問題は、下記のようにこのブログでの1つの知的街道をなしているね。
「ホームレス博士」 、 「高学歴ワーキングプア・『フリーター生産工場』としての大学院」 、 「博士離れ、止まらない:少ない研究職・企業は敬遠」 、 「『文系学部廃止』の衝撃」 、 「東工大、集う文系の達人 中島岳志氏・磯崎憲一郎氏ら次々教授陣に 教養重視の伝統」 、 「大学病院革命」 など。
ところで、今年の ノーベル生理学・医学賞 はどうなるかね。