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私 : 先月号の「文藝春秋」 で エマニュエル・トッド 氏は 20頁ほどの寄稿 で「 EU崩壊で始まる『新世界秩序』・ドイツ帝国に突きつけられたノーはグローバリゼーション終焉のサインだ 」と述べている。
氏 は、 10月2~4日に開催される国際シンポジウム「朝日地球会議2016」(朝日新聞社主催)に参加するため来日 するが、この 新聞記事 はその前の インタビュー記事 だ。
A 氏 : エマニュエル・トッド 氏は、 各地の人口動態や識字率などを分析 することで、 ソ連の崩壊、帝国としての米国の凋落、欧州共通通貨ユーロの行き詰まり、さらに最近では英国のEU離脱を予見してきた という。
私 : 先進国社会の分断やグローバル化がもたらす危機 についても、 早くから指摘 しており、「 文藝春秋」の寄稿文 も グローバル化がもたらす危機で一貫していた ね。
昨年のある 人口動態調査 によると、 45歳から54歳までの米国の白人の死亡率は、1999年から上昇 していて、 自殺や麻薬、肥満といったことが原因 で、 生活レベルの低下、退職後の不安といった、グローバル化による低賃金の労働力をめぐる競争などが、多くの人にとって耐えがたくなっている という。
これは、 グローバリゼーション・ファティーグ(グローバル化疲れ) なのだと 氏は指摘 する。
トランプ現象 もそれを反映している。
A 氏 : 英国の場合 、 トランプ現象に当たるのはEU離脱問題 で、 原動力は、あまりにたくさんの移民を受け入れることへの拒否反応 であって、 英国でも民族や国民という問題が優先課題になった という。
英国の国民投票 は、 EU離脱を求めた大衆の声 と、 残留を訴えたエリートたちの対決 であった。
英国 には、 エリートに敬意を払うという伝統 があるが、 それも指導層が国民の安全を守っていると考えられる時に限られ 、 国民投票の結果は、グローバル化に対する批判だ という。
私 : 欧州 は、 国民国家が消滅することへの治療法を生み出しておらず、むしろ重症化 させていて、今、 EUは解体しつつあり、最後に神話を粉砕したのは移民危機だ という。
氏 は、 民主主義は国民国家の枠組みの中でしかうまくいかない 、と 指摘 している。
国同士が交渉して共通の目的を持つことは可能 で、 欧州がまだ国民国家の集まりだったころ は、 偉大な共同プロジェクトの時代 でもあり、 航空機のエアバスや人工衛星打ち上げ用ロケットのアリアンの開発などが実現 したが、 欧州が国家間の交渉を飛び越えようとしたときから、なんの決定もできなくなった という。
A 氏 : 民主主義の危機は、(グローバル化した)経済の帰結 ではなく、 根源には高等教育の広がりがある という。
高 等教育を受けた人たちが階層を形成するまでになった ため、 受けていない人たちの不平等感が高まり、社会に緊張が生じていている。
教育には、民主主義を可能にする要素とそれを破壊する要素が同時に存在する という。
高等教育を受けても、グローバル化で苦しむ人は少なくない 。
私 : グローバル化の夢は一致に向かう夢で、すてきだが、非現実的な夢である という。
家族構造の歴史の力学 も同じで、 一致ではなく分岐、分散に向かう力学 なのだと 氏 はいう。
氏が予言する ように グローバリゼーションは、終焉に近づいている のだろうか。
TPP どころではなくなったね。