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2012.02.26
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カテゴリ: ニュース


http://ameblo.jp/heiwabokenosanbutsu/entry-11172625145.html
サンデー毎日 2012/03/04号 :平和ボケの産物の大友涼介です。


「首都圏M7の発生確率は4年以内に70%」という予測が流れたり、富士山周辺で地震が発生したりで、明日にでも首都圏直下型地震や富士山噴火が起きる。そんな恐怖がいまだかつてないほど高まっている。火山学の権威、鎌田浩毅京都大学教授(火山学・地球科学)が地震発生と噴火の実態と予測を解説する。

※かまたひろき 鎌田浩毅 1955年東京都生まれ。東京大学理学部卒業後、通産省(現経済産業省)を経て97年から京都大学大学院・環境学研究科教授。

マグニチュード(以下M)7クラスの首都直下地震が近々起きるのではないか、と2月から心配されています。ことの発端は、東京大学地震研究所の研究者が「首都圏で4年以内にM7直下型地震が70%の確率で発生する」と発表したことが新聞・雑誌などで大々的に報じられたからです。

地球科学を専門とする私のもとには、各方面から問い合わせがきました。これに加えて、1月末には「富士五湖」周辺を震源とする地震が頻発し、山梨県東部で震度5弱が観測されました。そのため、首都直下地震が富士山噴火を誘発するのではないか、という取材まで殺到したのです。

多忙な読者のために結論を先に述べますと、首都直下地震は富士山の噴火とはまったく関係ありません。といっても、両者は独立していつか必ず起きることに関して、私たち専門家は強い懸念を持っています。すなわち、首都直下地震は「いつ起きてもおかしくない」、また富士山は「火山学的には100%噴火する」状況なのです。

しかし、不親切のこう述べただけでは、首都圏に暮らす3500万人の人々の不安を煽るだけですから、本稿ではその実体と今後の予測について、専門の立場から分かりやすく解説します。そもそも私が引き受けた目的は、皆さんの懐疑心を少しでも取り除き、意味のある防災準備を直ちに行っていただきたい、と切に願うからです。

東日本大震災の発生以来、首都圏ではほど毎日のように有感地震が起きています。首都圏をなす東京、埼玉、千葉、神奈川の一都三県には全人口の約三割が集まり、名目GDPでも日本全体の32%にも達します。実は、この巨大都市圏では異なる二つのタイプの地震が、それぞれ別個の時計を持って動き出し、破壊的な災害をもたらすと予測されているのです。

第1のタイプは、東京の下町付近の地下で起きる地震です。「東京湾北部地震」と呼ばれるもので、23区東部の沿岸域を中心に震度6強の激しい揺れを生じます。この地域はもともと地盤が軟弱なので、建物の倒壊などの大きな災害が予想されるのです。

地球科学には「過去は未来を解く鍵」という言葉があり、かつて発生した地震から将来の災害予測を行ってきました。東京湾の北部では幕末の1855年に安政江戸地震(M6・9)が発生し、4000人以上の犠牲者を出しました。こうした「過去に起きた負の実績」から、将来起きるとされる東京湾北部地震(M7・3)では、死者1万1千人、建物被害85万棟、経済被害112兆円という途方もない災害が予測されています。

首都圏に大被害をもたらす第2のタイプは「東海地震」です。こちらは100年から150年の周期で発生しており、前回の安政東海地震(1854年)から既に158年も過ぎています。東海地震は9200人の死者、37兆円を超える経済被害が試算されている「いつ起きても不思議ではない」巨大地震ですが、もう一つ大きな心配が出てきました。

次は、この東海地震と東南海地震・南海地震とが連動することがわかったのです。「三連動地震」と呼ばれているもので、ちょうど東日本大震災と同じM9クラスの巨大災害をもたらすと想定されています。「西日本大震災」と呼ばれ、耐震性の低い建物を倒壊させるだけでなく、長周期地震動によって高層ビルが何十分も大揺れする恐れがあるのです。こうした揺れは東日本大震災の約3倍になるだろう、と警告する地震学者もいます。

さらに、東海地震では津波の被害を考えなければなりません。西向きに湾が開いている東京湾内に到達する津波は最大1・4メートルとなり、満潮時だと2・4メートルの津波が襲ってくる可能性があります。こうした東海地震・東南海地震・南海地震の三連動は、2030年代に起きると警告されており、私も2040年までには必ず起きると考えています。

現在の日本列島は平安時代の中期と類似した「地殻の変動期」に当たります。9世紀の日本では、869年に東北沖で東日本大震災と同規模の貞観地震が起こり、その18年後の887年に東海地震・東南海地震・南海地震の三連動である仁和地震が発生しました。

こうした大地震の連鎖が現在の状況とよく似ているのです。たとえば、1995年の阪神・淡路大震災や2007年の新潟県中越沖地震などM7クラスの直下型地震の後で、東日本大震災が発生しました。もし平安時代と同じような経過を辿るとすると、日本列島は21世紀は千年に一度の「巨大地震の世紀」として後世へ伝えられるかもしれません。地球科学に基づく過去の事実を知っている我々は、もはや「想定外」という言葉で巨大災害から目をそらすわけにはいかないのです。

平安時代には日本を代表する活火山の富士山も北西山麓で大噴火を起こしました。864年の貞観噴火ですが、長さ6キロメートルにわたる長大な割れ目ができました。ここから大量の溶岩が流出し、有名な青木が原樹海をつくったのです。


■1ヶ月前から前兆、低周波地震

ここで富士山が噴火するときにどのような現象が起きるのか見ておきましょう。富士山の地下20キロメートルには、高温のマグマがたまったポケット、すなわち「マグマだまり」があります。ここには摂氏1000℃に熱せられた液体のマグマが大量に依存し、これが地表まで上がってくると噴火が始まります。

富士山が噴火する前には、必ず前触れとなる現象が見られます。まずマグマだまりの上部で「低周波地震」と呼ばれるユラユラ揺れる地震が起きます。これは人体に感じられないような小さな地震ですが、マグマの活動が活発になったときに起き始めます。

次に、マグマが上昇してくると、通路(「火道」という)の途中でガタガタ揺れるタイプの地震が起きます。人が感じるような「有感地震」が起きるのです。地震の起きる深さは、マグマの上昇に伴い次第に浅くなっていくので、マグマがどこまで上がってきたかが分かります。

その後、噴火が近づくと「火山性微動」という細かい揺れが発生します。これはマグマが地表から噴出する直前で起きるのですが、こうなると噴火が近いスタンバイ状態になったことが分かります。

現在の富士山では、地下15キロメートルという深部で時々低周波地震が起きています。しかし、まだマグマが無理矢理地面を割って上昇してくる様子はありません。富士山では噴火のおよそ1ヶ月前にこうした現象が起き始めるので、事前に必ず分かります。日本の火山学は世界トップレベルなので、直前予知は十分に可能なのです。

私たち地球科学者は「火山的には富士山は100%噴火する」と説明しますが、それがいつなのかを前もって言うことは不可能なのです。噴火予知は地震予知と比べると実用化に近い段階まで進歩してきましたが、残念ながらみなさんが知りたい「何月何日に噴火するのか」にお答えすることはまったくできないのです。アマチュアの方が発する科学的根拠のない情報に惑わされないようにしていただきたいものです。

火山学者は24時間態勢で観測機器から届けられる情報を元に、富士山を見張っています。今の状態は直ちに噴火につながるものではないので、心配はいりません。

もし今後、富士山の地下で低周波地震が始まると、噴火の準備段階へ移行しつつあると判断されるでしょう。火山噴火は地震のように突然やってくるものではありません。噴火の前にはいろいろな動きが出てきます。マグマが上がってくると、山がわずかだけ膨らむという現象も起きます。

富士山は地震計や傾斜計などの観測網が、日本で最も充実している活火山の一つです。最初に覚えておいていただきたいことは、突然マグマが噴出する心配はない、ということです。噴火の始まる1ヶ月ほど前から前兆となる動きが観測され、直ちに気象庁からテレビや新聞など各種マスコミやインターネットを通じて、情報が伝えられます。地震のように準備期間がまったくない、というわけではありません。

かつて富士山では巨大地震によって噴火が誘発された例があります。前回の噴火は300年前の江戸時代で、太平洋で二つの巨大地震が発生した後でした。






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最終更新日  2012.02.26 05:41:56


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